Thursday, August 17, 2006

薬草利用の高まりがもたらす環境破壊

ボールダーにいるとサプリメントや薬草が多く使われるので、使う側からすると気にならないことが多いが、多くの場合それらの薬草がどのように採取されてきたのかきちんと検証をしてみないといけないかも知れない。人間に良いからと云って、乱獲してしまうのは、フカヒレと同じように、自然界を破壊することにもなる。サステイナブルなことをきちんとやれないとなると、何のための薬草かと云うことだ。

ボールダーでは、当地の有力企業の中にハーブティーのメーカーのセレッシャル・シーズニングス社がある。ハーブティーなどの旺盛な需要を受けてここ30数年で大手企業の仲間入りを果たした企業だ。セレッシャル・シーズニング社は当然サステイナビリティを前提で仕事をしている優良企業だが、世の中にはハーブティーやその他の煎じ薬などを求めて、アメリカの国立、州立など公園の中に入り込み、再生事業を前提にしない、個人の薬草ハンターがいるようだ。元々、インディアンや昔から治療薬だと知られていたものが、いつの間にか、商売の対象になり、自己の治療から商売のために乱獲されてきているという。

そもそも、アメリカの薬草を含めるサプリメント市場規模は230億ドルの規模らしい。つまり、対ドルの換算が115円だとして2兆6450億円の規模になる。薬草の占める割合がどれくらいのものか詳細は出ていないが、小さなものではないだろう。と云うのも、楡の樹皮を剥がして商売にしている人が後を絶たず、樹皮を剥がされた木はいずれは死んで行くのだそうだ。楡の樹皮は、咳止めや胃腸調整に役に立つと云うことらしいが、それにしても、保護を受けている国民の森林をこのように破壊する不届きものが出てくるのは、困ったことだ。楡の樹皮が必要であれば、きちんと植樹からはじめて、採取するべきなのに、薬草の採取がどこからなのかはっきりしないでも買い上げるところもあるのも問題だろう。

コロラドにいる日本人も、8月末頃になると、ナショナルパークに入り、キノコ狩りをする。私も何度か出かけているし、穫れたての松茸を食するのは楽しみだ。でも、多くの日本人が松茸にどんどんと採取をして行くと、森の住民であるシカたちの食事を取り上げてしまっているのかも知れない。あまり多くの人で乱獲をしないようにやるようにしたい。難しいところだ。ホント。

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