Wednesday, June 15, 2011

Google社、代替エネルギービジネス強化


アメリカ検索エンジンの最大手グーグル社は、これまで、代替エネルギー分野に色々な形で参画してきた。グリーン意識が高い企業の最先端を行っている。そのグーグルが今度、個人住宅用のソーラーパネル設置に関しての事業に乗り出してきた。具体的には、カリフォルニア州サンマテオのソーラーパネル設置会社SolarCityに対して、プロジェクト投資融資財源として2億8千万ドル(約225億円)の供出をすることにした。

このグーグル社資金供出の裏には、2008年に連邦財務省が代替エネルギーへ投資する企業について、投資額の30%まで税額控除する利点が含まれていることは見逃せないが、個人の住宅のソーラー発電導入をする際に、個人が初期投資をすることなく、電力コストを引き下げることができるので、ソーラーパネルの個人宅での導入に大きなインパクトが見込まれてくるようになる。当然、ソーラーパネルを設置するSolarCity社にとっても、ソーラーパネルの調達規模を拡大することで、コストを引き下げることも可能になるし、設置要員などの雇用増大にもつながって行くだろう。

以前、私がソトコト誌で取材をしたボールダー市にあるMain Street Power社も同様のビジネスモデルを展開しているが、Main Street Power社が公的な団体(学校、病院、刑務所、あるいはアパートなど)を対象としているのに対して、SolarCity社は、個人住宅を対象としている。両社とも個人がソーラーパネルを設置する場合は、設置業者側がソーラーパネル装置全般を保有することになり、公的な電力会社よりも低額で長期にわたり電力販売契約を取り結ぶものだ。個人は初期投資を避けることができ、しかも電力会社よりも安いコストでエネルギーを買うことができるので、メリットは大きい。日本では、電力会社以外がこのようなビジネスモデルを展開できないと思うが、官僚的な縦割り行政の弊害なのかもしれない。

電力問題は、東北大震災でいかに極度の生産集中が危険なのか露呈をした。電力会社は、利益を産み出すために極度の集中生産あるいは効率を求め過ぎてきた。その極度に集中した拠点が災害にあった際には、インフラ全般への波及も見られたことから、政府としてもより柔軟な施策を導入できるような地盤造りが必要になってくるのではなかろうか?多くの家庭が、ソーラーパネルなどの設置をすれば、ダムや発電所を作る巨大建設会社だけでなく、より底辺においての経済波及効果も大きいだけでなく、関連技術やサービスの拡大にもつながってくると言える。大手優遇の経済の民主化にも役に立つはずだ。

グーグル社がやろうとしていることは、先端的行動には違いないが、これは連邦政府が率先してやっているエネルギー政策を受けているものであり、日本においても、監督官庁の規制をどのように柔軟に対応させるか、識者の政府への圧力も必要になっている。石油エネルギの約100%を輸入に依存する日本としては、民間と官界が手を組み、日本のためにあるゆる施策を講じるべきだろう。アメリカのエネルギー政策にも欠点は多くあるが、このような柔軟な施策がとれる土壌は、日本よりも強い。日本の自動車メーカーや家電メーカーが出資母体になっても、新規事業をこのような面で大いに取れるような日が来ることを願っている。

Friday, January 21, 2011

ウォールマート アメリカのスリム化に向けて運動始動


これまでこのブログで何度も取り上げてきたが、アメリカの肥満は危機的状況に達してきている。地図を見ていただくと、ボールダーのあるコロラド州は、アメリカの中で一番肥満度の少ない州であり、ことボールダー市については、健康的な人が多いことからここに住んでいると気がつかないのだが、ひとたび他州へ仕事でも行くようなことがあれば、肥満比率が高くなり別世界に行ったような錯覚に陥る。

アメリカでの肥満が年々高まってきた原因は多々あろうが、利便性と低コストが優先されたことが主因のような気がする。それに大きく、悪い意味で、貢献をしたのは農務省の長年とってきた農政といくつかの作物に対する補助金によるところが多いと多くの学者は述べている。トウモロコシ、大豆、小麦などが補助金によって大量生産されることになったこと、そうして補助を受けているからこそ、価格が安くなり、これらを使った加工食品が増えつづけ、補助金を受けない生鮮野菜や果物が相対的に高価になってしまい、健食が摂りにくくなったと言うわけだ。

どこのスーパーへ行っても、店舗の中央にある加工食品棚の商品は、果物や野菜などよりも相対的に安い。しかも、電子レンジなどに入れれば食べられるようなものも多く、安くて利便性があれば、人が流れるのはうなずけるものだ。

今週、全米で最大の小売チェーンであるウォールマートが、グレートバリューの自社ブランドで売られていた加工食品の減塩、減糖、トランスファット脂肪酸の利用削減目標を打ち出して本格的に消費者に提供する食品改革に乗り出した。このムーブメントは、そもそも、ミシェル・オバマ大統領夫人が大統領夫人として取り上げているキャンペーンの一つであり、ウォールマートの幹部を動かし、達成した大きな運動だ。

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加工食品の改善だけでなく、注目するべきなのは、ウォールマートが今回同社の巨大な調達力を利用して、野菜や果物にも焦点を当て、より価格を下げる方向性を打ち出していることだ。野菜や果物は、手頃感がないと云うことで、低所得者層の人たちが買えなかったものを、買えるようにしてあげようと企業努力がうかがえる。オバマ夫人の強い働きかけがあることはわかっていても、1民間企業へ大統領夫人がこのように働きかけ、露出の点でも協力していることは、ウォールマートの持つ業界全体への巨大な影響力を見込んでいることはいうまでもない。

ウォールマートがこのような健食運動を始動すれば、その他の食品大手が無視し得ない状況に追い込まれるからだ。ジェネラル・ミルズ社、クラフト社などなど見えざる圧力は出てきそうだ。

ウォールマートが全食品カテゴリーを見直し、規模の経済を通じて、ヘルシーな食品をより買い求め易くするようにすれば、少なくとも自宅で食事をする限りでは、健食へと次第に動き始めるだろう。ウォールマートはヘルシーフードだから値段を高くするのではなく、競争力を持つ価格帯に設定したい意向だ。こうなると他の小売チェーンなども追随することになろう。

ウォールマートといえ、清涼飲料水やすべてのデザートなどをすぐには改革することはできないだろう。しかし、アメリカでの肥満の問題を真剣の取り上げようとすれば、このように大統領夫人が音頭取りをしなければならないところに、通常の議会や官僚機構だけでの改革は難しそうだ。日本では、加工食品の比率が多くなり、食品に関する規制が、単なる官僚の事務レベルで行なわれるケースも多いだろう。しかし、健食を強く打ち出したいときには、官僚や政治を超えたレベルでの、民を思い、改革していく手段があるのだろうかとフト不安になった。ミシェル・オバマ夫人のような人が日本にも出てきて欲しいと感じる今日この頃だ。

Saturday, October 16, 2010

ロハス Forever!

ボールダーのロハス情報を月刊誌ソトコトで書き始めて、もう5年が経過した。12月号の原稿は提出したばかりなので、60回もソトコト誌に記事を投稿したことになる。長いようだが、ネタに事欠かないボールダーの街の素晴らしさを感じ取っているところだ。飽きるのが早いとされている日本人だが、ロハスについては、自分の健康や地球環境など生活に密着した内容なので飽きられることなく、これまで間違っていた社会の流れを少しずつでも正しい方向へ変更をさせていかなければいく姿勢を持ちつづけて欲しい。ロハスは流行ではなく、進化することはあっても、我々の心と生活の重要な基軸にならなければいけない。だから、闊達な意見交換ができるようになるため、ソトコトのますますの読者増を期待している。そうして皆で意見交流などをして、日本の真の発展を願っていかなければいけないと思う。

本日のアメリカのニューヨークタイムズ紙は、日本がデフレなどが原因で、景気が後退をして元気がないことを書いている。所得が下がり、購買意欲が下がっていることがあたかも悪いのだと決めつけ、日本は意気消沈していると指摘している。ある日本人がベンツから国産車に乗り換えたことなどを事例として取り上げ、景気後退の問題を指摘しているのだ。確かに、経済指標などを見ると、元気がないように感じるかもしれない。しかし、こんなときだからこそ、真の経済とは何かを考え直さないといけない。豊かさの指標とは何か、国力とは何か、健康とは何か、サステイナビリティを高められるようにどうしたら良いのか考え直す時が来たようだ。

身近なことから言うと、日本人は80年代は贅沢放題をして、世界のひんしゅくを買った。経済力の高まりで驕りも出ていたかもしれない。不動産バブルに踊り、資源、高級ワインやブランド品を買い占め、贅沢三昧だった。このゆとりの大きな原因は、日本が世界の工場と化し、輸出をほしいままにして外貨を獲得していた背景がある。もちろん、それがすべて問題なのではない。資源がない日本が伸びたのは素晴らしいことだが、「再生」経済を顧みず、経済力をベースにいつまでも競争相手が出ない、資源はいつでも手に入る、と考え輸出に専念し過ぎたところが多いと思う。デンマークなどのように、風力発電などに力を入れ、石油の輸入依存度を下げてしまっているところもある。デンマークなどの北欧に行くと資源意識が高まるなど、国民レベルでのサステイナビリティ運動を展開している。日本もこれまで軽視されていた国内インフラや食糧自給率の向上などを目指すようにしても良い時がきたのではなかろうか。

そんな時に、東京の友人Aki Satoさんから、東京オーガニックライフなるサイト開設の連絡を受けた。オーガニックライフをサポートするサイトはまだ少ないと思う。地道な活動であるが、多くの人が求めている情報に違いない。どこかの大企業がこのような活動をしようとすれば、利潤抜きでは考えられない。消費者は長い間、テレビやその他のメディアで必ずしも身体や環境に良くないものでも、売り上げを上げるために、大いに宣伝され、騙され買ってきたのだ。もちろんウェブも良いところと悪いところがあるだろうが、Akiさんが展開しようとしているのは、まっとうなことで生計を立てようとしている人たちを束ね、サポート活動しようとするものだ。

デンマークがエネルギー再生大国になった裏には、Akiさんのような啓蒙活動をしていこうとする活動家が多くいたからだ。豊かさの基準を金額換算だけで見ていく時代は終わっている、有機農法を推奨することで、国内の土壌、河川、近海の幸、資源の再利用が促されるようになることを願っており、このライフスタイルの改善は金額では計り知れない。政治家がリードできるときもあろうが、一番手っ取り早いのは、オーガニックライフをサポートすることで、徐々に日本企業や政治家の意識も変革させるようにすることだ。私にはロハス推進者の顔は元気に見える。ニューヨークタイムズ紙の記者にそれを感じ取って欲しい。ブランドモノばかりを追っかけている人が多くいる国だけが幸せではない気がする。

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Monday, May 17, 2010

劣化した食品を、本来の姿に取り戻そう

ロハスやグリーンという言葉が使われ出してからもう何年にもなる。しかし、コンセプトだけで理解をしても、生活のどこと密接に関連するのか理解し、それに沿った行動をしなかったら、ロハス云々を言っても始まらない。有機食品が推奨されるのは、化学肥料、除草剤、殺虫剤などの散布が減るからなのだが、まだ、本気で有機モノを食し、ライフスタイルを変化させようとする人はまだ少数だ。コンベンショナルもの、つまり、通常のやり方(化学品漬けで)で栽培されたモノを多く食べていても、問題にならないと考えているのだろうか?

成長期にある子供たちがタバコなどの喫煙が許されないのは、成長過程にある脳細胞などに不自然な刺激を与えないようにするためだ。特にタバコの害は、ニコチンだけでなく、タバコに散布される数多くの、殺虫剤、除草剤などの化学薬品が完全に除去されずに残留農薬として残っていることも考えねばならない。

最近アメリカのマスコミで話題になっているのは、健康を意識して与えている果物までもが、微量の残留農薬のために子供たちが脳障害を引き起こし始めているのではないかという研究の事例が報道されたことだ。子供たちがコンベンショナルなイチゴやブルーベリーをいっぱい食べていたために、残留農薬の一つで有機リン酸エステルを摂取し過ぎて、注意欠陥過活動性(多動性)障害を引き起こすのではないかと懸念されるようになったらしい。

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同じ有機でも、有機リン酸エステルは、まさに害虫の脳を正常に機能させないような成分を含んでいるらしい。当然害虫に悪いことは人間さまにも悪いのは分かりきっているはずなのに、生産性と利益率を重視するために、四半期や年度会計では表れない、トレースしにくい問題は、子供の脳の状態が悪い方へ変化していても、見て見ぬ振りをしているのではないだろうか。

現代人は自分たちの食べている食事がどこからきたと知っている人は少ない。しかも、度重なる食品加工によって、活きていた酵素がまったく消滅してしまった内容になっても平気でいるようだ。元気がないとなれば、エネルギー補給材を呑み、食べ過ぎて胃もたれするとなれば消化剤をとるような即効を求める志向が強くなっている。バイアグラだってそのような感覚で産まれているのではないかと思う。そんな中で私たち皆は、小さなチョイスを与えられ、その中で少しでも良い方向へ進まないといけないだろう。

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甘味が好きな人でも、適度が鍵だが、シロップよりは砂糖、精製糖よりは甘蔗糖、甘蔗糖よりはアガベ、コンベンショナルよりも有機、アガベサルミアナよりは低GI値ブルーアガベ、ただのブルーアガベよりは高温熱処理をされていないローフード・ブルーアガベへと進んでいる気がする。少しでも良い方へ転換しよう。いくら良いモノでも、適量を意識しつつ、自分が何を食べているのかじっくり考えて、本来の自然な美味・食感を味わいながら、食生活をしたいものだ。

Friday, May 14, 2010

ハイテクスタートアップ企業を引きつけるボールダー

ここ5年近くボールダーがロハスのメッカであることを月刊誌ソトコトで書き続けているが、最近目につくことは、ボールダーのそのロハス的な生活環境の良さが、有能なハイテク人材を引きつけ始め、いつの間にかボールダーが、ハイテク企業の立ち上げでも、米国で目立つ存在になってきているらしい。ニューヨークタイムズ紙が報道するところによると今年の第一四半期で、この街の11の企業が57億ドルのベンチャー資金をかき集めたと言う。シリコンバレーだったら、「大きな池の小さな魚だが、ここへくると小さな池の大きな魚になれる」というのだ。日本円にすると、3ヶ月で5000億円以上だから10万の街にしてはすごい。

ボールダーの街は、1950年代のアイゼンハワー大統領の頃から連邦政府のいろいろな研究機関が設置され始め、コロラド大学の存在と相まって、高等教育を受けている人の比率が高い街として全米でも知られている。当市の民間企業の有力な雇用企業の中にIBMやサンマイクロシステムズ社が入っていることからもうなずけるが、ここへきて、シリコンバレーなどがあまりにも大きくなり過ぎてしまい、今まであった自由なネットワークの雰囲気が失われ始めていることから、生活環境抜群、大都会の洗練さを持ちながらも、交通渋滞、犯罪などがあまりないボールダーの魅力が一段と魅力的な要件となって来たようだ。

カリフォルニアのシリコンバレーに続く第2のシリコンバレーになりたがっている都市は多い。相当成功しているところもあると思うが、ニューヨークタイムズ紙が取り上げている点は、若き有能なアンタプルヌアたちがこの街のライフスタイルに惹かれていることを取り上げているのが面白い。

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ニューヨークタイムズ紙が書いているところによると、通常、他の街で起業して成功した人たちは、潤沢な資金を持って新たな生活場所を求めて移動してしまうとのことだ。しかし、ボールダーで成功する人たちは、ここの生活の良さから、他の生活空間を探し求めようとする比率が少ないのだと言う。この街のお金持ちはあまり気取らない。ポルシェやベンツを乗り回す人も少ない。しかしマウンテンバイクを乗り回す人は多い気がする。ここに居ると豊かさとは何かをつくずくと考えさせられてしまう。

Wednesday, May 05, 2010

コミュニティ・ソーラー・ガーデン

オバマ政権の出現で、いろいろな意味で代替エネルギー推進の勢いは強まって来ている。ソーラーパネルを自宅や事業所に設置する人たちのために、大きな税額控除がされたり、電力会社からの自家発電量に応じた還付金なども行なわれるようになり、ソーラーパネルを設置しようとしている人は必然的に増え始めている。連邦政府の施策が、一つの行動指針になっていることは言うまでもないが、これまで何か京都議定書に沿った形で地球温暖化対策をやりたがっていた市民が、施策の追い風を受けて、実行動をとり始めたのだ。

自宅や事業所の耐候性改善、低燃費型自動車への転換、省エネ家庭電化製品などへの転換、スマートグリッドの導入によるよりインテリジェントな電力消費、風力、地熱やソーラーの活用などアメリカの経済社会が徐々にではあるが、変化を見せ始めている。省エネ電球の普及やこまめな消灯、より機能的な衣服などライフスタイルの変化にもつながっており、従来型の商品戦略から、一時的な流行でなく、より実体的なグリーン経済への転換は確実になったと見て良い。
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そのような中で、ボールダーのコミュニティ・ソーラー・ガーデン案は、州議会への法案提出という形にまで進み、すでに州議会の上下議院で通過し、法律施行に向けて、州知事の署名を待つまでになって来ている。この、コミュニティ・ソーラー・ガーデンとは、山の斜面の近くや木々に囲まれ陽射しの悪い地域に住む人や、アパートの住人で自らのところだけにソーラーパネルを設置できない人たちのために、空き地や別のところで共同でソーラーパネルを設置することによって、税額控除や電力料金の還付の権利を得られるようにしてあげる方策だ。もちろん、歴史的な家屋に住んでいる人が、不釣り合いなソーラーパネルを自宅の屋根に設置をしなくとも、その他の市民と同様の権利を得られることになり、ボールダーの住人はとても喜んでいる。

社会共同体的な意識が高いボールダーの住民が、誰でも自家発電のメリットを享受できるようにしている仕組みは、今後アメリカの他の都市でも取り上げられていくようになろう。これが社会インフラにどのような影響を与えるのか、今後とても楽しみなことだ。風力発電のクレジットなどを買って来ていた人たちが、より身近な形で、ソーラー・ガーデンを設置するようになれば、街の景色も、ソーラーの風景が強まることは必至だ。

Monday, April 26, 2010

外食産業、国民の健康と連邦政府

オバマ政権は、この春これまで長い間懸案だった健康法案を議会通過させて、法律として施行をしたばかり。五月雨式に導入される多くの施策でアメリカ人の健康が一挙に向上されると思われないが、それだけアメリカ人の健康問題が、大統領にとっては、景気回復を含む経済施策やイランイラクの戦争や外交問題さえ凌駕するところに位置付けられて来たことは注目に値する。

この健康法案の中に、あまり知られていない案件として、アメリカのすべての外食チェーンに義務化される重要な案件がある。それは、ファーストフードなどのチェーン店などに、メニューごとのカロリーを表示する義務のことだ。

Image: Suat Eman / FreeDigitalPhotos.net

それはドライブスルーのレストランにも適用される。ビッグマックのカロリーが500キロカロリーを超えると知らされずに、それを買うことができなくなるのだ。自動販売機についても同じことが適用され、スニッカーズバーなどを買う時のカロリー数値も表示されないといけなくなる。

このカロリーの表示義務については、これまでのブログでも書いて来たが、市単位で行なわれていた条例が、連邦政府の法律になると云うところがミソだ。しかも、この法律はレストランチェーン業界の賛同を得ていたから、かなり簡単に法制化されてしまったのだ。つまり、各市単位で行なわれていた条例では、対応が難しくなり過ぎること、各市の求める条件が異なり始める可能性もあることから、レストランチェーン業界が、率先して連邦基準を推進してしまった背景があるようだ。

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実施については、来年を目処にしているが、その方法や実行のやり方が決まっておらず、それが決まるまでに相当の年限がかかるだろうと見られている。元々消費者のために作られるはずだった法案が、いつの間にか業界のニーズとうまくかち合ってしまったところに、何か不思議な感じがしてならない。

連邦政府が、カロリーの表示義務化をしたところで、消費者が、それを意識しないようだったら、意味がないような気がする。個人の肥満度が上がれば健康保険料率が上がるとか、税金が上がるとかという罰則規定があれば、効果が相当上がるだろうが、カロリー表示でどこまで人の意識は変わるのだろうか?大きく変わるとは考えにくい。

アメリカの健康論議を見ていると、肥満の悪者を捜しているように感じる。トランスファット脂肪酸だったり、高果糖コーンシロップだったり、澱粉だったり、清涼飲料水だったり、ビッグマックだったり、いろいろなものが叩かれている。しかし、一方では、各チェーン店は、客を呼び込むために、相当の広告費を投じており、満腹メッセージを宣伝している。やはり、スーパー・サイズ・ミーの世界はなかなかなくならないのだ。

健食と外食産業が相容れないコンセプトのようであり、それを調整していくのには、かなりの努力も要る。学校給食などで、野菜果物をより消費する動きも強くなっているが、外食産業が巨額の予算宣伝で売り込む勢いにはなかなか勝てない。連邦政府がいかにカロリー表示を義務化したところで、外食産業がうまくそれを取り入れてしまい、肥満予防の効果は生まれてこない気がする。

何ごとも、腹八分でいかなければならない。良いモノだって食べ過ぎれば、効能はなくなるどころか、毒にさえなってしまう。健康に良いとされるハチミツでさえ、飲み過ぎれば毒とことわざの通りだ。今では、外食産業において塩の制限さえ検討されている。利益を求める外食産業としては、国民の健康を願いつつも、連邦政府とのイタチごっこになりかねない。健康は、政府に決めてもらうのではなく、自らの判断で、自らの消費を通じて、健康を意識しながら、消費者一人一人が追い求めていかなければ、ことは解決しないだろう。できるだけ良いモノを、適正な範囲で食することに努めていきたい。

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Monday, October 26, 2009

Agriburbiaという新語

ボールダーにいると、ノーベル賞物理学者、宇宙飛行士、世界的な音楽家、ベンチャー投資家、思想家などがあまりにも多いので、小都市に住んでいる気がしない。レストランの格も全米で屈指のところが多くある。これだけの高等教育を受けた人の多様性を持つコミュニティもそれ程多くないだろう。白人系の人口比率は多いが、それでも、世界各地からの転入組みも多く、小生のような日本人が住んでいても、肩身の狭い思いをすることはない。この地には雑多な文化的多様性を受け入れる土壌がある。

この街には裕福層は多く、キャニョン街などでは5億円以上のマンションが売られている。ニューヨークであるまいし、何でこのような値段が設定できるのか不思議でならないが、それだけここの不動産価値は高い。確かに現在の景気では、さすがに最上級のマンションなどは販売に苦労をしているらしいが、そもそも、その値段で今売れなくとも、街がアメリカでも相当な人気なので他州の金持ち層が移ってくることで解決しそうだ。先日も東部から移住を検討しているスーパーマーケットチェーンのオーナーに会ったばっかりだ。昨日も夕食に友人の不動産業者の人と出たら、中堅どころの物件は、市況は熱しているとのことだった。唯一、超高額なところがあまり売れずに苦労しているようだ。ここで写真を掲出しているThe Areteの高級マンション群も、当地の資産家Tebo氏が作り上げたコンドミニアムだが、売れずとも、きっと保管していくだけの財力はある人なだけに、物件を叩き売り、市況を不安定にさせるようなことはない。

ボールダーでは、どこへでも歩いて行けるダウンタウンの物件は相当注目されているが、近隣には相当の有機農業をしている農家もあり、その農家と連動した宅地開発がされる気配が出ている。コロラド州全体が健康州として全米のマスコミにたびたびに取り上げられるので、新規の人口流入を促してしまう。しかも、きても良い物件を求めたがる人が多いので、文化的志向の高い金持ち層がさらに来てしまう結果となる。しかし、需要の高いボールダーの住宅物件は高すぎるので、新たな動きが輩出するのは難しい。だから、今日はボールダー近郊で発生している現象を取り上げよう。

タイトルのAgriburbiaという言葉なボールダー発のものではない。Agriは農業を指し、burbiaは郊外を意味するsuburbsの合成から造られたことばだ。この言葉を造ったのは、ボールダーから北東50キロくらいのところにあるミリケン市の宅地開発をしようとしているマシュー・クイント・レドモンド氏だ。同氏は、ボールダーの南にあるゴールデン市に本社があるの不動産業者で、このAgriburbiaコンセプトを何と知的資産として商標登録してまっている。同氏はTSR Groupなる会社を率い、田園と都市の要素を組み合わせた居住コンセプトをつくあり上げて、注目を浴びている。

ボールダーのように、アメリカで最初の公的資金によるオープンスペースの買い上げを行なってきたところを見て、そんな無駄な土地の使い方をする余裕が無くなってきていることを主張しているのだ。現に私の家の前は広大なオープンスペースがあり、すばらしい景観を十分に享受をしているのだが、彼の理論によればそれはもったいない土地の使い方になる。正直言って、確かにこの土地の買い上げはもったいない気がする。受益者の私が文句を言う筋もないが、より良い土地利用の実験がされてもおかしくはないと思ってきていたので、このAgriburbiaコンセプトへの関心はある。

Agriburbiaが目指すところは、宅地開発のコンセプトにオープンスペースと野生動物の生息環境を維持するのだが、それに加えその宅地開発プロジェクトにもう一つの農業要素を組み入れると云うものだ。追加される要素には、個人菜園あるいはフルスケールのぶどう苑とワイナリーなどの組み合わせをつけるとかと云うものである。レドモンド氏が売り込みたいコンセプトは、宅地の開発と食の生産を結びつけた本来人間が営んできた生活方式に少しでも戻ると云うものだ。レドモンド氏が立ち上げているプロジェクトの最初はコロラド州のミリケンにあるものだが、宅地のそばにぶどうの生産とワイナリーを併設するものを検討している。今後開発されるAgriburbia物件については、必ずしもぶどう苑、ワイナリーのパターンではなく、売りのポイントを変えて行くように考えている。レドモンド氏が言うのには、農地をそのままにしておけば、宅地開発の期間に、土地農地がすべて開発されてしまい収入がストップすることなく、住宅分のセクションだけが、売れるまで収入がない形式を考えているようだ。

コロラド州は人気州だけにできることだと思うが、ミリケンプロジェクトはこれから工事をはじめるところだ。618エーカーの広大な土地に、944軒の家の建設が予定され、その内108エーカーがバックヤードファーム、その上さらに152エーカーには灌漑されたコミュニティファームが予定されている。計画では、その農場で収穫された農作物を居住者に与えられ(支払いの仕組みは定かでない)、同地区の建てられるレストランなどの食材としても活用する方向だと言う。レドモンド氏は、このコロラドにこの他13のAgriburbiaを夢見ている。同氏は、アメリカでは3100万エーカーの土地に芝生が植えられていると言う。彼は、それを無駄と見て、そのスペースを食の生産に振り替えたいとも夢見ている。

このAgriburbiaプロジェクトが成功するか定かでない。ボールダーで始まったオープンスペースに触発されて、Agriburbiaはテークオフをしようとしている。ボールダーはあまりにも豊かになり過ぎ、コスト高になったので、こうやって近隣で別の実験が行なわれようとしている。日本で過疎化で悩んでいる地方の再生にもつながるようなプロジェクトにも見える。日本の方で見学をしたい人がいれば、いつでも仲立ちをするのでコンタクをしていただきたい。今後このAgriburbiaを暖かく見守っていこう。

Friday, October 09, 2009

Sprouts スーパーマーケット開店

デンバーからボールダーに入る36号ターンパイクとベースライン通りの交差点近くに、ボールダーの最新のナチュラルスーパーが開店をした。このスーパーの名前はSprouts(もやしの意味)だ。アリゾナ州に本社を構えるスプラウト社は現在急激に伸びているチェーンだ。景気後退の最中の今年、開店する拠点だけでも、このボールダー店を含めて11店舗におよぶ。拠点数は年内に42店舗までに広げるつもりだ。来年も同じようなペースで拠点を広めるつもりがあるらしい。隣町のロングモントにも拠点を構えるので、ホールフーズがメインの市場へと殴り込みをかけてきているところだ。

ボールダーに本社を構えるサンフラワー・ファーマーズ・マーケットのチェーンとこのスプラウト社は類似点が多い。ナチュラル市場の発展を受けて、大手の間隙を縫って成長しているチェーンだがらだ。しかも、店舗展開の方式はナチュラルでいながら低価格路線を打ち出しているもの。大手のセーフウェーやキングスーパーよりも小回りが利き、プレミアムで売ってきたホールフーズを下から攻めようという戦略だ。サンフラワー・ファーマーズ・マーケットがSerious Food....Silly Prices(まっとうな食べ物を、アホらしい値段で)とスローガンでやっているのに対して、スプラウト・ファーマーズ・マーケットはHealthy Living for Less (より低価格で健康的な生活を、、)と攻めてきている。

今日は開店初日だったので、目玉商品を多く配置して、スーパー前に駐車場は満車だった。自宅にも案内がきたので、それを紹介しておこう。今日は少し写真が中心の記事になってしまうが、ローカル、ナチュラルへの勢いが、このような激戦区のボールダーでも展開されていることだけリポートをしたかった。

Wednesday, October 07, 2009

Dow Chemical社、屋根板をソーラー化


アメリカの化学大手企業のダウケミカル社が、屋根板をソーラー化した記事がニューヨークタイムズ紙に掲載されている。ソーラー屋根板についてはシャープなどの日本のメーカーも技術は相当進んでいるし、ダウケミカル社の専属的な技術ではないが、時代の流れからして、これまでソーラー技術は何かプレミアム的な存在だったものが、ここへきて、一般建材の分野に下がってきていることは注目してよい。コストが高いのであれば、一部の裕福層だけが利用することになりかねず、それでは省エネは広がらない。アメリカのセクターごとのエネルギー消費を見てみると、住宅分が22%を占めており、そこが大きくエネルギー消費を削減できることになれば、二酸化炭素排出量は大幅に削減できることになる。

アメリカの景気後退は底を打った観があり、徐々に住宅建設が回復基調にある。最新データーは全米ベースの新規住宅着工件数は8月のもので59万8千軒だが(昨年同月は84万9千軒)、オバマ政権が打ち出しているグリーン景気助成策の一環として、新規住宅の一部にでもこれが採用されるようになれば、省エネの勢いはつき始めることになる。まだ、このダウ・ケミカル商品は市場に出回っていないが、テストマーケティングが2010年の年央だと言われているにもかかわらず、このように先行して発表をしているのは、消費者やデザイン施工の企業や住宅開発業者へ早めに売り込みはじめたことを意味しているようだ。

これまで、グリーンな既存・新興企業が、設置訓練をして資格を与えられた人たちが備え付けるような仕事についていたものが、ダウケミカル社の方向性としては、屋根の施工業者、つまり、これまでアスファルトタイルの設置をしていた人たちでもできるような簡便化している模様だ。そのために、施行工事のコストは大幅に削減できるとダウ・ケミカル側は見ている。これまでの既存屋根板と同じような扱いで済むことだが、最終的にはインバーターへの接続は電気工の仕事になるものの、作業は平準化されてしまう。

ダウ・ケミカル側の市場予測では2015年までには市場は500億ドル規模になると見ている。しかも、普通のアスファルトタイル屋根板の住宅普及率が90%を占めていることから、ダウケミカル側は、アスファルトタイルの平均寿命は20年となっているので、既存住宅屋根板の張替えでも需要が出てくるだろうと予測しているようだ。このダウケミカル社に薄膜(thin-film solar cells)を供給しているのはアリゾナ州ツーソンにあるGlobal Solar社だ。この薄膜は先端的なソーラーパネルと比較するとエネルギー交換効率は10%しかないために、ソーラーパネルと同じようなエネルギー交換率を産み出そうとすればよりも広い屋根面積が必要ということだったためにあまり魅力がなかったカテゴリーだ。しかし、このように効率が高くなくても、ダウケミカル側では、これら屋根板を使っても、通常の住宅の必要電力の40−80%をまかなえるだろうと見ている。

ダウケミカル社は、広範な製品群や技術を持っている一大企業だが、とかく環境派の人々に叩かれる企業の一つであることも事実。しかし、このように経済的な見返りがあれば、企業としても環境保護的な製品を作ることは大いに考えられる。モンサント社なども農業化学品を多く作り出し、環境汚染の元凶のように見られている企業も、連邦政府の指導や法制改正などにより、土壌改良技術を開発したりしたら、社会はきっと少しでも良い方向へ進むことだろう。オバマ政権が取っている省エネ政策、グリーン雇用促進策、代替エネルギーの政策など大いに注目していきたいものだ。

Thursday, October 01, 2009

監獄さえ、グリーン!

今朝の当地の日刊紙デイリーカメラ紙が伝えるところによると、ボールダーにあるボールダー郡の監獄は、時代の趨勢に合わせ、グリーン化を展開することを考えている。しかし、バラ撒き行政の一環ではなくそれは一応財源を確保しないといけないので、11月の投票の時に住民投票にかけることになりそうだ。投票案件としては1Cの名前を冠したこの動きは、監獄施設の光熱費などの削減を目指したものだ。

ボールダー郡の監獄は、相当な電力を消費しているらしい。監獄内にいる囚人は500人のも達し、その彼らの衣服、シーツやタオル、暖かいシャワーや電球によるエネルギー消費はばかにならない。洗濯機や乾燥機などは日に16時間も稼働しっぱなしなのだ。

11月の住民投票では、現在監獄の光熱費コスト年間25万ドルを半減しようと考えている。もちろんそのために大きな省エネ投資が必要になる。それを固定資産税で負担するのではなく、連邦政府の公的資金の借り上げ(金利ゼロ)で、行なうことを検討中しているだけなのだ。連邦のこのゼロ金利の資金は、公的な建物だけに貸し付けられるものだ。市としては、約7億円(610万ドル)をかけて、監獄だけでなく、シェリフの建物や裁判所関係の建物全般の省エネ化しようと考えている。条件としては、このような公的資金を使う場合は、省エネ改善が20%以上見込めることが必要。住民投票で可決されれば、監獄は100キロワット光起電力システムを取り入れるだけでなく、断熱反射屋根、空調や電灯の効率化のためのアップグレード、郡で害虫で死んだ木々などを燃やすバイオバーナーなどの総合的な省エネ策を講じようとしている。

オバマ政権の景気刺激策が、このような形で、ボールダーの監獄さえにも影響を与えてきている。考えてみると、省エネの可能性は、公的部門でも相当大きいわけであり、それに事業の受託によって民間企業が潤うことができれば、アメリカ経済の相当な部分でも無駄なところが省け公的支出が減り、環境も良くなれば、環境にも大きなインパクトを与えることができそうだ。

Tuesday, September 29, 2009

サンフラワー・スーパーの農場実験

ボールダーはナチュラル・スーパーの実験場だ。テキサス州オースティン市に本拠を構えるホールフーズ社がボールダーを注目していることはこれまでもたびたび書いてきた。現在、ホールフーズのボールダー旗艦店は、全面模様替えを行なっているところであり、来年にはホールフーズのスーパーストアがお目見えすることになりそうだ。ホールフーズは、すでに業界二番手であったボールダー発のワイルドオーツチェーンを吸収合併したことによって、現在拠点が4店舗も出来上がってしまっている。だから、当市におけるホールフーズのプレゼンスはすでに強い。

ホールフーズの他に、当地にはホールフーズに買収され、ボールダーのスーパーチェーンのワイルドオーツの創業社長のひとりであるMike Gilliland(マイク・ギリランド)氏が新たに作り上げたサンフラワー・マーケットチェーンの拠点ができたり、今後、このブログで報告することにしたいが、現在アリゾナ州ベースのスプラウツ・ファーマーズ・マーケットが新築開店を目指して工事を進めている。

その他に当地には、地元のロリータマーケットやラッキーマーケットがあるだけでなく、ビタミンカテージがあったり、コンベンショナルなスーパーのライフスタイル化を推し進める実験場でもあるのだ。セーフウェーのライフスタイル店は、当地ボールダーで実験されたのだ。

このように、ナチュラルが当たり前になってくると、アルバートソンのようにナチュラルでないところが当然衰退をして行くことになるのだが、ナチュラル以外の「売り」を見せていかないと当地では差別化は価格だけになってしまう。だから、ローカルの物産を「売り」にして行くことも大事だ。ホールフーズが、ウェブサイトでわざわざボールダーのページを売り込むために、短編のローカル物語を作り上げていることからもその重要性が見えてくる。地元の生産者を前面に出し、彼らの存在をアピールし、ホールフーズのローカル性を打ち出しているのだ。

>デンバーポスト紙の記事によると、ギリランド氏の率いるサンフラワーマーケットは、そのローカル性を強調するために、更に一歩先に進み、スーパー直営の農場をボールダーの隣町のロングモントで取得し、野菜などの栽培を始めている。もちろん、地元の農家から野菜などを買うのは続けるものの、この農場を使い、消費者の有機モノに対する知識や意識を高めてもらい、マーケティングイベントなどにも使うとのことだ。

有機、ナチュラル、ローカルの他に、マーケティングをしていく上での要件は、どんどん増えてきている。ボールダーが、その中で、引き続き高い意識を持ち続け、新たな実験をしていくことは消費者としては嬉しい。

Thursday, August 13, 2009

ボールダーの底力

アメリカ経済は、少しずつ回復へ向かっているようだが、多くの都市においては不動産価格の大幅下落は否めなく、本格的な経済回復と確定できるようになるまでは相当の期間が要するだろうと言われている。これまでハウジングブームに乗り、人口流入などで急激に発展していたカリフォルニアを含む南西部のサンベルト地域やフロリダなどが、景気後退、クレジット引き締めや過剰開発などによる要因によって、大幅な不動産価格の下落を見ている。また、ミシガンやオハイオなど中西部地域では、裾野の巨大な自動車産業の落ち込みで、失業率が高まり、住宅価格が急落している。不動産が売れずに、価格下落している現象は、痛ましい。

ビジネスウィーク誌の最新号によると、このようなアメリカ全体の不動産価格の停滞にも関わらず、伸びている所があるとの分析を紹介している。ビジネスウィーク誌は、Zillow.comとタイアップした企画において、2008年の第2四半期と2009年の第2四半期の不動産価格を比較している訳だが、その中で、不動産価格が上向いた街のナンバーワンの街としてボールダーをあげている。数値的に見る、同期間に不動産価値が上昇したのは、60%もの住宅で見られ、平均的な上昇率は2.12%だったという。

1929年の世界恐慌に次ぐ大型不況と云われているアメリカ経済だが、景気悪化の逆風を受ける度合いが都市によって大きな違いがあることがわかる。ボールダーが、比較的に逆境のインパクを受けなくて済んでいるのは、就業構造が、高等教育、ハイテックの他に伸びているロハス関連事業所が多いこともあげられる。さらに、大事な点は、ボールダーが住宅乱開発を避け、不動産の投機的な供給過多状況を産み出していなかったことが大きいように思う。住みやすいライフスタイルを守る努力も、不動産の価値上昇に大きく反映したのは言うまでもない。

Thursday, July 09, 2009

本格化するクリーンエネルギー経済

これまでグリーン経済は、特殊な分野だと見られていた。デンマークや一部の国を除き、国の重点産業政策、主力経済政策になると云うよりは、おまけ的な形で自然発生的に出てきたと言えなくもない。もちろんニーズがあるから伸びているのは間違いないが、政府が政策の根幹においてきていることはなかった。特にブッシュ政権の終了まで、化石燃料からの転換、温室効果ガス排出の抑制、新エネルギー経済への移行などは、議論されていたものの、大幅な実行策はとられていないと云っても良い。手術をしないで済ませたいような疾患治療のようなものだ。しかし、加速度的に世界経済が拡大しはじめると、もはや手をこまねいて待っているようなことができない事情にまで発展してきている。石油産出はピークから下降しはじめていると大方の専門家の判断だからだし、今まで消費市場でなかったところまで「消費型経済」へと突入しはじめたからで、資源浪費は環境から、コストから、その他の要因で難しくなるからだ。何かしないといけないと云う意識が、多くの市民の中で芽生えているのは事実だ。

クリーンエネルギー経済は、これまで、グリーンと云う括りで計測されていなかったので、注目も集めていなかったが、統計的にもクリーンエネルギー経済を測定する必要性が高まり、その扱いがグリーンとしての括りつけが始まっている。そうなってくると、クリーンエネルギー雇用の存在が人々が考えていた以上に大きいことが理解されはじめている。The Pew Charitable Trustsなる団体が行なった統計作業によると1998年から2007年の間の推移を見ていくとクリーンなエネルギー経済化での職の創出は、総体としての就労の推移に比べて二倍半の成長率であることが確認できた。Pew財団は、全米50州でのクリーンエネルギー経済の実質的な雇用口の変化について、実質的な数字を把握した上で、雇用数全体を計測しはじめたのだ。このような具体的な計測が行なわれたのは、アメリカでははじめてなので、その内容には、注目すべき結果が多く出ている。

Pew財団の調査によれば、クリーンエネルギー経済は、1998年から2007年の10年間にわたり全米で9.1%成長したのに対して、従来型の経済分野は3.7%しか伸びなかったという。州レベルでも同じことが言え、首都ワシントンと50州のうち38州で、これを裏付けるトレンドが出ている。報告書によると、この部門は、消費者の需要の高まり、ベンチャー資本の資本投下、連邦や州の政策転換により、かなりの勢いで成長することが見込まれている。これまで、政府よりの支援をあまり受けなくとも、2007年段階においてさえ、全米50州の68,200事業所が、クリーンエネルギー経済雇用を770,000まで広げている。現在、オバマ政権などで、急激にこのセクターに資本投下や重点施策の移行を行ないはじめているので、この勢いはさらに加速していくに違いない。

同財団の集計によると、これまで潤沢に政府の支援策を得てきた化石燃料産業セクター(電力ガス、石炭発掘、ガス採鉱などの分野)は、2007年で雇用水準は127万人だったという。支援対策の方向性が変わってくれば、クリーンエネルギーに雇用がシフトするのは目に見えている。
Pew財団が定義をしているクリーンエネルギー経済は次のようなものだ:クリーンエネルギー経済は雇用、企業や投資を生みだす一方で、エネルギー効率を高め、温室効果ガスの排出量、廃棄物と汚染の削減、節水、やその他資源の節約に貢献する 。これがどんなカテゴリーかと言えば5つのカテゴリにまとめられる:( 1 )クリーンエネルギー、( 2 )エネルギー効率性、( 3 )環境に配慮した生産、( 4 )環境保全と汚染の軽減、( 5 )人材育成とサポートなどである。産業全体を見ていく上で、新旧エネルギーに関わる統計が出ている意義は大きい。これにより、雇用の推移や変動、投資や経済成長の趨勢、政策策定や投資の実質的な効果がどのようなものになっているのか、ガラス張りになる可能性も高い。同レポートは、勃興しはじめているクリーンエネルギー経済は、各州において、高い賃金水準を達成していることが明らかになってきている。しかも、ある一部の職カテゴリーだけでなく、広範囲のの分野で高賃金体系の職種が生まれてきていることを示している。

コロラド州のリッター知事も、当州を新エネルギーのメッカにしようとしており、デンマークのVestas社の生産工場を誘致したり必死だ。ボールダーにおいても、Conoco Phillips社が新エネルギーの大規模な研究所を建設しはじめており、コロラドの環境関連のラボラトリーズの存在から、この地域が大きなクリーンエネルギー経済のメッカになることが見込まれている。ボールダーのロハスは、かなり先端的な、クリーンエネルギーの頭脳集団を擁するに至るだろう。もうすでにSmart Grid関連でも、日本からの視察団を多く受け入れはじめており、この州、この街ボールダーの動きは面白い。


環境保全事業はもはや、付帯的な案件で無くなってきている。先進国も発展途上国も、クリーンエネルギー経済を推進し始めるに至り、これまでの社会インフラをも、覆すような変化が出てくることになろう。オバマ政権は、経済雇用政策の問題、外交の問題、医療の問題、など多くの問題を抱えている。現在まだ国民のサポートを得ているが、このハネムーンもいつまで続くか定かでない。でも、石油、化石燃料中心型の経済は、オバマ政権であるにないに関わらず、終焉に向かっていることだけは事実だ。アメリカの雇用状況推移をきちんと見極めていきたい。

Sunday, July 05, 2009

食品メーカーのイメージ問題

食の安全は、先進国アメリカでも大きな問題だ。しかも、大手メーカーを信用できないという消費者が急増をしているという。この市場調査を行なったのは、食に直接関連しないIBM社だそうだが、市場調査サンプルは1000名、10都市で行なわれたものらしい。何と驚くことに、食品メーカーが安全で健康的な食品を提供すると信じている人は20%にも満たないと云う調査結果が出ているそうだ。

この調査で、過去二年間に発生した食品の回収問題で、具体的な品目を想起できたのは83%にも達している。このように高い想起率は食品に対する意識の高さが窺える訳だが、それだけ食品メーカーが安全対策に対して気をつけなければいけないことを示している。メディアの取り扱いの高さも当然あるので、このような結果が出ると思われるが、いざ、ある特定食品が問題視されると、カテゴリー全体のイメージが下がることが想定され、安全対策をしているメーカーの広報力やアクションの早さも重要になってくる。

昨年3月に、アメリカ人には欠かせないピーナッツ・バターがサルモネラ菌で汚染されているため、連邦食品医薬品局が回収指示をした際に、ボールダーにあるオーガニックのピーナッツ・バターを生産するJustin Nut Butterは、急遽、彼らのピーナッツバターは、回収の対象となっていないことを広報し、売り上げを急増した。牛肉の回収に至っては、比較的毎年どこかで発生しているので、その度に、オーガニック牛の販売が伸びるのだと、やはりボールダーのナチュラル牛を生産販売しているColorado Natural Beef社は語ってくれた。

IBMの調査によるとアンケートをとった49%もの人が、汚染されている際はその食品を買い控えるとしている。8%ものの人は、そのカテゴリーの食品を食べなくなると述べるとともに、大半の人は、原因の究明と対策が打ち出されるまで食べるの控えると言っている。

過去二年間で一時的にせよ、あるカテゴリーの食品を買い控えた人は47%にも及んでいる。また、面白いことは、メーカーが回収対策して、汚染食品をきちんと処分するだろうと見ている人は55%しか居ないのに対して、販売をした小売店、スーパーが回収に際してきちんと当該食品を処分するだろうと見ている人は72%とメーカーの比率よりも高い。ホールフーズなどがイメージを大事にしているのはよくわかる。ホールフーズ、あるいはクロガー、セーフウェーその他の大手スーパーへ食品を納入しようとするところは膨大な資料提出を求められるのが常で、いつか機会があれば、もう少し詳細に書いてみたい。

量産メーカーが抱える問題は、量産であるが故の問題が多い。トレーサビリティなどをきちんと行なったところで、多くの生産者から調達をする訳だから、事故が起きる可能性は高く、またそのインパクトは量産のために地理的に広範囲に及ぶことも多い。コスト面から、量産メーカー太刀打ちできないが、地産地消やファーマーズマーケットが盛んになって来るのは生産者の顔がより良く見えるからだ。大都会でもファーマーズマーケットが盛んになっていることは言うまでもない。顧客の信頼を失いはじめている食品メーカーは、今後も顧客に厳しい目で見張られていくことになるだろうから、ここをきちんと対策取れるところは顧客の信頼を受けて事業を伸ばす代わりに、対策を怠るところは、顧客に敬遠をされ事業的に失墜することも発生しかねない。