Wednesday, August 30, 2006

シュワーツネーガー加州知事の環境行政




アメリカ50州の中で特異な存在は、カリフォルニア州だろう。日本とほぼ同じ大きさだが、アメリカの縮図になるどころか、東部が旧体制ならば、カリフォルニアは新体制的な特性が高い。アメリカだが、アメリカ的でない側面も強くなってきている州だ。こと州民の構成を見ただけでも、白人がマイノリティになっている州でもあり、ヒスパニックの政治力は日増しに強くなってきている。ヒスパニックではないがシュワーツネーガー州知事さえオーストリアからの移民だ。

アメリカの政治をフォローしている人でなければあまり気にしていないだろうが、シュワーツネーガー州知事はブッシュ大統領と同じ共和党出身。しかし、第一期目に当選したときの州民の熱烈なセレブ当選は次回は認められないだろう。そのために、シュワーツネーガーも州民の意向を十分に汲み取るように努力をしている。環境問題は、これまでリベラルの杞憂と云うことで、選挙の時に大きな争点になって来なかったが、どうも今年の選挙は、不法移民、健康保険、イラク戦争、などとともに争点の順位が上がってきている。

今週州議会に提出されている州法案AB32は、今週中に州の上院・下院を通過する見込みだそうだ。その中身は、温室効果ガス規制をカリフォルニア州が独自の基準で設けると云うもの。しかも、大手事業の温室効果ガス測定を行ない、企業努力によって、大幅削減をするところについては、規制以上に改善を見せたところは、その余剰分を達成できていないところに売り渡しても良いと云うことにするようだ。これによって、環境改善クレジットが商売になる仕掛けを作る訳だから、果たしてこれが機能するかどうか、見ていく必要はあろう。しかし、より大きなインパクトは、加州が、連邦政府に先駆けて環境規制を強化するだけでなく、環境改善クレジットを前面に出そうとしていることが、連邦議会でも注目を浴びないことは考えられないからだ。

これまで、アメリカでは、ガソリン価格は乱高下し、人々は、一時的に上がってもまた下がるだろうとの希望と観測を持ちながら、引き続きエネルギー浪費を続けてきた。しかし、徐々にではあるが、エネルギー資源は無限だと云うことは言われなくなってきている気がする。お金持ちはいくらガソリン価格やエネルギーコストが上がろうと屁とも思っていないだろうが、選挙民がこの問題に注目始めたことは、単にコスト面からだけでなく、環境政策論議をも高めていくことになれば、意義は大きい。

コロラド州は、保守的な共和党支持者が多く、どちらかと云えば州単位での議論は、加州ほどのレベルに行っていない。もちろんコロラドには排ガスを生じさせる産業は少ないと云う状況はあり、空気も比較的にきれいなので州単位での議論や意識が今イチ低いのは事実だ。ただし、ボールダーは、この点で、環境保護都市としての意識が高く、今後も報告する案件は増えるだろう。環境は誰かが守ってくれるのではなく、自分たちの日常の活動が、それを反映していることを理解しなければならない。

Tuesday, August 29, 2006

肥満傾向続くアメリカ



アメリカにはTrust for America's Healthと云う団体があり、毎年全米各州の健康の指標をまとめて発表をしている。公共の健康プログラム屁の資金投入を増やそうとしている団体であり、肥満の傾向については手厳しいリポートをまとめている。今月発表になった数字によると31州において肥満度は前年に比べて高まっていると云う。現在超肥満(obese)の人の数は、アメリカ総人口の内、大人が32%、子供が17%にも達していると云う。最悪のミシシッピ州は、超肥満が大人子供平均で29.5%に達している。肥満の基準はアメリカの基準で云う訳だから、日本基準を使ったのならこの数字は40%を超えてしまうことだろう。



ボールダーのあるコロラド州は、肥満係数がアメリカ50州の中では最低の州だ。それでも超肥満の比率は16%を超えている。しかし、スポーツや豆腐のメッカのボールダーに至っては、多分コロラド州の中でも突出して肥満係数が低い地域になっているはずだ。当地に住んでいると気づかないのだが、いざボールダーを離れると、同じコロラドでもアメリカの肥満人口が高いのには驚かされるからだ。

肥満度係数で見ていくと、単に体重が高いと云うだけでなく、その裏に隠された多くの社会問題も発見されてくる。もちろん、教育や社会的地位によって、格差が広がっているのだ。所得が低いことと、教育も低いこととの関連性も出ており、社会的弱者の黒人やネイティブアメリカン、最近ではヒスパニックなどのマイノリティーが肥満が多いと云える。しかも、肥満が多いと云うことは、成人病などの問題比率も高かったり、個人の尊厳と云う意味でも、社会から取り残されていく人も増えていくのだろう。

市町村レベルにおける格差も出てくるなど、ロハス的な生活の発想も、ホールフーズでの買い物などができるのもある程度の社会的な地位や、経済力がないと健康的な生活ができないと云う問題もあろう。豊かなアメリカが、このように社会階層ギャップが高まっていくことは憂慮するべきことだろう。低価格品など中心のウォールマートがオーガニック戦略を展開し始めているのは、素晴らしいことだが、それだけでは済まない感じがする。人々の意識を高めるのには、環境問題のときも然りだが、教育の果たす役割が大きい。その点で、教育でも取り残されていく人々がいるのが、この肥満の進行を食い止める最大のネックになるだろう。

日本でも、徐々にではあるが、肥満の傾向が出てきているようだ。イワシや玄米の生活ではなくなってきているので、食生活の欧米化に伴い、老いも若きも行って欲しくない方向へ行っている感じがする。身体の健康についての意識は、戦後の国際化と、豊かさの到来、そうして核家族化による3世代家族などの激減で、旧世代の知恵が伝わらなくなってきている。少子化による、子供の甘やかしなども、食生活にネガティブなインパクトを与えかねない。ボールダーのロハスを見習うところが多くありそうだ。

Monday, August 28, 2006

温室効果ガス抑制に動きはじめたアメリカ


これまで地球の温暖化が進んでいると云う議論がなされるとき、ブッシュ大統領や保守派は、地球温暖化を主張する科学者たちが左翼偏向をしていると言うことで議論をすげ替えていたきらいがある。そのために、国民の意識をエネルギー節約や、温室効果ガス発生抑制と云うことでの真剣な議論になってきていなかった。連邦政府の姿勢も、地球温暖化問題を取り上げるより、テロリズムなどによる国の安全議論へ話をすげ替えたり、アメリカの景気論議の問題にしたりしてきた。

ただ、現実問題、アメリカの国立公園で、地球温暖化のせいか、カブトムシが繁殖をし過ぎる状況となり、普段は存在しなかった地域に長く居座り、森林資源を食い物にして大木は被害を起こし始めている。地球温暖化の事象はあちらこちらに見られるようになり、アールゴーア氏のAn Inconvenient Truthが放映されるに至って、米国の政治家も無視しえない状況になり始めている。

ブッシュのイラク侵攻や、アフガン問題にしても、国民は石油資源確保に躍起なブッシュ陣営に見えるようになっているのだろう。サンフランシスコ・クロニクル紙のZachary Coileワシントン特派員は、米国公共電力業界のトップが講演をするにあたって、温室効果ガス抑制の連邦規制は時間の問題であり、その心づもりでいなさいと講演をしていると言う。この業界団体は、これまでは連邦政府の温室効果ガス抑制の規制に反対をしてきていただけに、彼らの受け止め方は、ワシントンの考え方、特に11月に選挙を迎える上下両院の議員たちにとっては大きな問題になってきているのだろう。

2年前までの選挙は、9/11の大事件後でもあり、テロ対策が大きな国民の関心事だったが、今は徐々にアメリカの中東政策が何か間違っていると考える良識派の数が増えてきているのだろう。しかも、ハリケーンカトリーナの対策をきちんととれなかったブッシュ政権、あるいは共和党全体への反発などもあるのだろう。先回の大統領選挙のときは、テロ、イラク戦争問題、それにゲイ、堕胎などの保守派の宗教的な要素が強い政治案件が重要な選挙課題になったりした。今回は、高騰するガソリン価格、ベトナム化したイラク紛争、不法移民の問題、そうして、資源も含む地球環境にも目が向けられるようになったと云って良い。

まだ、正式に大統領候補は立候補していないが、共和党の有力候補のアリゾナのマッケイン上院議員、あるいは、民主党ニューヨーク選出のヒラリクリントン上院議員なども、温室ガス効果抑制に賛同の立場を示している。トップまでがそのようであれば、地方レベルでもその議論は間違いなく行なわれており、ブッシュの政策は何か置き去りになっているような気配さえする。

北米トヨタのジム・プレス社長も、自動車業界は、規制反対と云う見方に決別を図るべきだと云うたぐいのスピーチを始めていると云う。これまで、GM社やフォード社に遠慮をしてか、日本の自動車メーカーは、控えめに動いてきたが、このような発言ができるようになるほど、アメリカの環境問題に関する国民の姿勢は変化してきていると見るべきかも知れない。ボールダーの市民が、小型車のモデル都市になりたいと動いているのも、そのようなアメリカの雰囲気の先行指標だ。ロハスと云う言葉はあまり出て来ないが、実質的には、多くの側面で、地球環境が表に出たりするようになったのは、まさにロハスが背景にあると見ている。

地球環境が良い方向に動くようになるのには、小手先の変化だけでは到底達することはできない。巨大タンカーのようで、舵取りの方向転換を行なっても、タンカーが動きを変えることは容易ではない。でも、世界の25−30%のエネルギーを消費しているアメリカが変わると云うことは、決して小さな事実ではない。ボールダーの街も、次の選挙では、課税を強化してでも温室ガス効果削減のための財源獲得に向けて動いている。そうなのだ、静かな革命が進行をしている。地球環境を取り戻そうと云う革命だ。そのようなアメリカ市民を応援したい。

Sunday, August 27, 2006

オフィスのグリーン化が加速するとき

職場の建物を考えるとき、銀行や法律事務所だったら会社のイメージを偉容なものに如何にできるかが一つの建築基準だったと思う。会社のプレゼンスを高めるために、大理石をふんだんに使ったり、照明をハイテクや高級路線で行なうことによって、企業イメージを高めてきたことは大いにあげられる。しかし、プライオリティで考えていくと、どうも従業員、あるいは地球環境よりも企業の重厚なプレゼンスを先に求めてきたりしたのではないだろうか?

ロサンゼレス・タイムズ紙によると、最近では、地球、職場環境に重点を移すことによって、単に省エネの建物ができただけでなく、副産物として従業員のやる気が増えたり、欠勤率が減ったりプラス効果が大きいことが分かってきたらしい。従来は、グリーンビルを建てるのにプレミアムを支払ってきたのだが、電力料金の削減、水道料金の削減に加えて、仕事の効率上昇や、欠勤率の減少による労働効率などが向上して、結果としては企業にとってかなりのコスト節約になっていることが判明してきたと云う。どうやって測定をするか分からないが、グリーン業界団体は、グリーンビルにしたことで、従業員の生産性は16%上がるとしている。

ロサンゼレスタイムズの記事は、トーランスのトヨタ本社ビルのグリーン化で得た、具体的なプラス要因を挙げている。トヨタ自動車のトーランス本社では欠勤率は14%下がったと報道されている。そうして、これまでグリーンビルは高いと云うコスト的な側面ばかり見られてきたのが、従業員のやる気にもつながると云うことが判明したこともあり、グリーンのオフィスビルの建設はラッシュを迎えるだろうと予測している。確かに地球環境のためにビルができることは、精神的な意味で、何か満たされるものがあってもおかしくない。

グリーンと認定申請を待っている建物の総額で比較するとその勢いがいかに高まってきているのかが分かる。2000年にグリーン認定を求めていた商業ビル資産総額は7億9000万ドルだったのに対して、今年に至ってはその数字が77億ドル相当と10倍に達している。その中でも、際立っているのが9/11で破壊され、建て直されたニューヨークの7ワールド・トレード・センターがその一つのビルだ

では、グリーンビルとはどのようなものを指すのか簡単にいくつかの事例を挙げよう:

屋上に植物を植えることによって日照の反射を減少させること
舗装は水吸収を促す性質のものであること
雨水を再利用する仕組みを持っていること
リサイクルしたグレー水をトイレ用や緑地帯などに使う
自家発電(ソーラーパネル、風力、地熱その他の排ガスを出さない方式を使う発電)
リサイクルした建材や資材を使うこと
塗装やニスなどの空気汚染の元になるものを削減する

などなどが挙げられているが、細かくはU.S. Green Building Councilの方を調べることをお奨めする。

ちなみに拙宅について申し上げれば、昨年に大幅改築をしたのだが、南側の窓を相当数増やし、エネルギー効率の高い窓を設置して、ひさしを伸ばし、ソーラーパネルを設置して、床下暖房にした。初期投資は大きかったが、電力ガスの料金が跳ね上がる前に滑り込みで新規体制に移れたのは、個人としても嬉しい。ボールダーについての、オフィスビルの情報が出てくれば、さらに追加報告しよう。

ハイブリッド車オーナーズ集いたれ!!

アメリカと云う社会は、議会政治に基づいた政治体制なので、政治力の表現の仕方が面白い。しかも、多くのInterest group(つまり、何らかの権益活動をするグループのこと)があり、そのグループごとの活動は侮れない。いくつかの新聞を読んでいると、今月に全米ハイブリッドオーナズの会が設立されたようだ。全米でのハイブリッド車の累計販売台数が50万に達した訳だから、そうしてこの傾向は伸びていくだろうから、かなりの政治力団体になるだろう。

この会は、当然のことながら、ハイブリッド自慢をする会ではない。アメリカのエネルギー政策を覆すのに働きかけようとする、とてもエネルギーコンシャスなグループと見て良いだろう。グループ参加が何人くらいになるのかは分からないが、市場が確実にこのセグメントで伸びていくこと、意識が高い人も多いだろうから、ワシントンではかなりのノイズになっていくことは間違いない。

アメリカの石油依存を引き下げるのに、自動車の燃費を向上すること、公共交通の利用を高めること、ライドシェアー(相乗り)などを進めることで比較的大きなインパクトは可能だと思う。ボールダー市などは、歩行や自転車での通勤を奨励しているが、約40%もの人が市内で応じているようだ。もちろん、市民の意識も高く、先日ブログに書いたように、市が小型車の奨励を市の施策としようとしている。

そういう自分もイラク侵攻があるまでは、アキュラのMDXと云う比較的大型RV車に乗っていた。しかし、言い訳ではないが、エンジンサイズは3.5リットルで、アメリカの本当に大型車とは比較にならない状況だった。それでも、イラク戦争が勃発ししそうになったときは、石油価格が上がるだろうと想定して、ステップダウンをした。もう、ハイブリッドしかないと云う気持ちになっており、次回買い替えるときは、きっと小型のハイブリッドに乗っていることだろう。多くのアメリカ人もそう考え始めているようだ、、

Wednesday, August 23, 2006

クラフト・ビールで乾杯

ボールダーのレストランやバーにいくと、ナショナル・ブランドのビールを飲むときが少ない。もちろんない訳ではないが、地ビールの人気が高い。日本の有名ビールブランドはお寿司屋さんなどでは引っ張りだこだが、買って自宅で飲むことはあっても、これも一般レストランでは売られているのは少ない感じがする。

表題にクラフトビールと書いたが、日本的に言ったら地ビールあるいは英語ではマイクロブルワリーだろう。クラフトビールと云われ始めているのは最近のことで、全米の二つの地ビール組織が合併してでき上がったブルワーズ・アソシエーションが一般的に使い出した名前だ。クラフトと云う定義は、ビールの生産が年間200万バーレル(樽)以下のところを云うのだそうだ。全米で800の組織があり、その組織本部は何とロハスの聖地ボールダー・コロラドにある。クラフトと云うからには、量産と云う意味合いが薄く、職人芸のクラフトマンズシップを指しているのだろう。

ここの組織の記者発表によると、クラフトビールの2006年の上半期の生産ボリュームは、前年同期比の12ー13%増になっており、売り上げの方は、グロッサリー、コンビニ、リカーショップチャンネルでは15−16%伸びているのだそうだ。クラフトビールの販売は2004年が前年比で7%増、2005年が9%増と2006年の6月末までの累計数字では前年比で11%伸びているのだそうだ。

ボールダーを中心としたクラフトブルワーの中にはAvery Brewing Co., Boulder Beer Co. および Twisted Pine Brewing Co.の3社が光っている。その他にも、隣町のライオンズには Oskar Blues Grill and Brewery、そうしてロングモントの街には Left Hand Brewing Co. があげられる。もちろん、この他にもブルワリーがあり、鮮度の高いビールを飲めるのは、これはとてもロハスだと言わざるを得ない。ボールダーの地ビール「クラフトビール」に乾杯!

Tuesday, August 22, 2006

熱くなるアメリカのヨガブーム

ロハスと云えば、ヨガは切り離せないくらいロハスの大きな構成要素だ。ポールレイ博士のCulture Creativesの中でも、GaiamなどのヨガDVDの販売などについて書かれている。ヨガは身体の健康に結びつくだけでなく、その東洋的な教えそのものが、広範な分野での健康につながったりしているので、関心も高い。食事についても、ライフスタイルについても忙しい現代ビジネス・エクゼキュティブ、家庭の主婦、学生から始まり、多くの人を魅了して止まない。

このようなブームになると、一流のヨガの先生ともなると、セレブ以上の生活になってきているらしい。あちらこちらのセミナーで引っ張りだこになり、空港につけばお出迎えを受けたりする生活がもの凄いらしい。ハリウッドのセレブが師と仰ぐヒトにでもなれば、その生活ぶりはハデになるようだ。もちろん、経済的な余裕も相当なもので、一昔の貧乏ヨガ教室のレベルではなさそうだ。ことアメリカのヨガ先生の収入レベルなどについても記述があるので関心ある人は今回参考にしたロサンゼレス・タイムズ紙記事を覗かれると良い。

セレブ的な生活をするようになるとのことだが、一流どころの中にはしっかりした考え方を持っている先生は多そうだ。ロックスター並みにチヤホヤされながらも、やはりヨガをするに至ったまっとうな人たちは、収入の相当部分を社会の弱者に寄贈しているのだと云う。もちろん、皆がそうだと云わないが、精神的な存在としても見られることもあり、変にやたらなことはできないのだろう。やはり、身体をきちんと磨くのには、精神が伴っていかないと弟子が尊敬をしてくれないところに、ロックスターとの差があるようだ。新聞記事の紹介では、自ら規律をしっかりと引き締めている先生たちが多いことを記述している。

このように考えてくると、アエロビックスを初めとして、ピラテス、いろいろな運動マシーンを通じて身体を奇麗にしていくことだけでは済まない、何か深い欲求が裏にある気がする。以前なら教会が与えてくれた、精神的な支えは、価値観の多様化によって、教会だけでは与えきれないものになっているのだろう。教会も、もちろん、心の支えはあげられると思うが、現代人の生活は複雑化しており、聖書だけに限った拠り所では済まないと見て良いと思う。

ヨガの中に何かスピリチュアルなものを求め、食の改善、ライフスタイルの変更をさせていく何かすごく強い引くものがあるようだ。どれがホンモノなのかは、確定できないところに価値観設定の難しさがあるのだろうが、人々は、ただの健康に飽き足らず、ヨガを求めて動いている。もはや、ヨガは、ヒッピー的な社会異端児の世界から飛び出し、アメリカの社会ファブリックの中に定着している。大都会が中心だが、ボールダーのような小都市でも、熱くなっているところは多い。ボールダーにもヨガのスーパースターの一人であるRichard Freemanが住んでいる。彼のインタビューを読むとすごいものがある。ここからの情報発信は、より深くロハスに根ざしたヨガになっている気がする。機会があれば紹介をしよう。

Monday, August 21, 2006

不老長寿を求めて

New York Times紙の8月20日付けによると、アメリカでは、一部の成長障害を持っている児童だけでなく、大人も成長ホルモンを注射し始めているという。人間成長ホルモンhuman growth hormone (H.G.H.)は、人間がある一定年令を超えると毎年1ー2%分泌が少なくなっていくのだという。逆にこの成長ホルモンを注射治療をしていくことによって、身体の筋肉が引き締まったり、疲労回復も早くなったり、身体の怪我などでも回復が早くなるという。だぶついた肉が引き締まっていくとなれば、かなり関心を持たざるを得ないものだが、これが一般的な治療になっていくところに問題がある。

もちろん人間は、生まれては死んでいくサイクルの中にあり、健康な期間を長くしたい気持ちはよく分かる。しかし、この人間成長ホルモンが多く使用されるようになると、一時的に素晴らしい体調になったとしても、それがどのようなインパクトを与えるものなのか良く理解されていないらしい。実際に、この成長ホルモンを注射し続けた人たちの中で、ガンにかかった人が多く出ているとの報道もあり、その辺りの理解をきちんとした上での活用でないと、成長ホルモンを長寿の薬として扱うのは少し早すぎるようだ。

ロハスのHはヘルスを意味しているわけであり、必ずしも若さを意味しているわけではない。しかし、アメリカのベビーブームの連中は、体制に反対したり、マリファナを吸ったり、ジェーンフォンダのアエロビックスをしたり、セックス革命を経た連中なので、どちらか云うと、このまま老化するのが堪えられない人たちなのだろう。顔のしわを取り除くためにボトックスを利用したり、ベッドでの活躍できるためにバイアグラなども開発販売をしてきた連中なのだ。

ロハスのヘルスはどのようなヘルスかを定義しているのではないので、ここの議論にはならないが、少なくとも薬漬けで、体力の引き延ばし策を求めているのではない気がする。時限のある生命の中での成果は、自己の美しさ、若さだけではないはずだ。ボールダーの自然の中にいると、大都会の人々が考える、幸せと云うのが少し空しく感じるのは気のせいであろうか?ボールダーの10キロレースなでには老いも若きも参加する。そうして皆がそれぞれのスポーツへの参画に喜びを感じている気がしてならない。心の若さが長寿の秘訣になる気がする。

Saturday, August 19, 2006

ウィールスで食品の殺菌を認めた食品医薬品局

今日は食品のことを少し書いてみたい。しかし、内容があまりにも専門的なので、深く立ち入れないので、表面的な記述になることをお許しいただきたい。

アメリカの厚生省の食品の添加物の許認可をしている食品医薬品局(FDA)は、リステリア菌(Listeria monocytogenes bacterium)を中心に殺菌するウィールスを肉やソーセージなどの加工時に噴霧しても良いと云う判断を下したようだ。これによって年間2500人くらい発病をして、その内500人くらいが死亡をするリステリア菌による感染病患者を救うことができるのだそうだ。

バクテリオ•ファージ(原核生物を宿主とするウイルスのこと)の研究を行い、今回の許認可の対象になったウィールス培養のメーカーは米国の東海岸にあるIntralytixと云う企業だ。FDAは、今回の許認可に関して、人体への影響が全くないと断言をしている。かなりのテストも行った上での結論だと思うが、何となく食品業界の都合を聞き入れて行った判断と云う気がしてならない。

確かに、リステリア病原菌をころす安全なウィールスであったとしても、普段の食品加工のプロセス上の衛生状態をどのように管理するとか、保存が効くとなると多少鮮度が悪いものでも活用しようという不届きなところが出てきてもおかしくない。良く知られているように、食肉については、あたかも鮮度が高いように、肉が新鮮に見えるための染料が使われたりする世の中だ。実際の保存が効くとなると、どのように使われるのかの方が心配になる。このあたりの政府の管理行政がどのように行われるのか、ちょっと不安な面も感じざるを得ない。

ネガティブな面ばかりに目を向けたくないが、Intralytix社の幹部を見ていると、かなり素晴らしい経歴の人たちが集まっているが、それが食品会社に下りてきたときの対策が見えないところに、われわれ市民が自己責任でより強く守っていかないといけない気がしてならない。

http://www.intralytix.com/principals.htm

Friday, August 18, 2006

小型車モデル都市を狙うボールダー

現在ボールダーの街のニュースと云えば、ジョン・ベネ殺人容疑者の逮捕だろう。逮捕されたものの、立件できるのかどうか、まだ紆余曲折が予想されるので、このブログでは取り上げない。姉妹編では、ボールダーの視点から報告することがあればするようにしたい。

さて、17日のボールダーの日刊紙Daily CameraのAnna Uhls記者のリポートによると、ボールダーの街は、環境と交通の担当者を交え、”スモールカー委員会”(Small Car Committee)なるものの初会合が開かれたと云う。この委員会は、ボールダーの街がクルマのネガティブな影響を削減し、小型で燃費効率が良いクルマの所有利用を促進するための全米でのモデルケースになるように、市政を運営する上で何ができるのか検討するために集まったらしい。民主党選出のJack Pommerコロラド州下院議員は「全米レベルでの改善は見込めないから、少なくとも、地方自治体レベルで行動を起こすときだ」と引用されている。つまり、連邦政府レベルでは、燃費規制なども取り上げられないので、処理ができる近場から始めようと云うことらしい。

Shaun McGrath市議会議員は、年末までに、市として市民が徐々に小型車や燃費効率の良いクルマにどのように転換できるようにするのか委員会としても提案書をまとめたいという。小型車が増えると云うことは、環境、交通量、駐車場などの側面からも市にとってプラスだという。オレゴン州のように、ガソリン消費が減少をすれば、ガソリン税の歳入減少に悩むのではなく、ボールダー市は前向きに環境を考えて動いていることは嬉しい。当然、クルマのディーラーなどは影響を受けるだろうし、ガソリンスタンドなどの経営にも影響が出るだろうが、それを押しての市の動きは大いに歓迎するべきだろう。Mark Ruzzin市長も大いに後押しをしている状況だ。

トヨタのプリウスやホンダのシビックハイブリッドなどはボールダーでは既に多く走っているところであり、今後市政がどのような方策を出してくるのか楽しみなところであり、さらにハイブリッド系の比率が高まる異様な街になるかも知れない。ボールダー万歳と云うところだ。

この会合にはメルセデスのスマートで乗り付けた人がいる。そのヒトはSanford Greenberg氏でFirst Class Importsと云うディーラーのオーナーだ。日本車だけには譲れないと云う気持ちもあろう。

このような、街主導のクルマ所有についての政策が出てくるとなると、市民の反応はどうだろうか?大型車のRV(SUV)をすでに所有している人は、下取りに出しても、地元では買い手がつかない現象が出てきてしまう。下取り価格がすでに下がっている中で、今回の方向でさらに、市場に大型車を放出したら、値崩れは間違いない。かなりの経済的な損失だろう。このように経済的な損失を想定できる中での、市場変革はかなり勇気がいることだ。和を尊ぶと云う日本ではなかなかできないことかも知れない。

この委員会の次の会合は9月13日だという。そこで委員会の名称をしっかりと決めるらしい。成功をしてもらいたい案件だが、この問題を上手に処理しないと、一部市民の反感を買うことも出てくるだろう。できる限り本件については、引き続きリポートをしたい。

Thursday, August 17, 2006

薬草利用の高まりがもたらす環境破壊

ボールダーにいるとサプリメントや薬草が多く使われるので、使う側からすると気にならないことが多いが、多くの場合それらの薬草がどのように採取されてきたのかきちんと検証をしてみないといけないかも知れない。人間に良いからと云って、乱獲してしまうのは、フカヒレと同じように、自然界を破壊することにもなる。サステイナブルなことをきちんとやれないとなると、何のための薬草かと云うことだ。

ボールダーでは、当地の有力企業の中にハーブティーのメーカーのセレッシャル・シーズニングス社がある。ハーブティーなどの旺盛な需要を受けてここ30数年で大手企業の仲間入りを果たした企業だ。セレッシャル・シーズニング社は当然サステイナビリティを前提で仕事をしている優良企業だが、世の中にはハーブティーやその他の煎じ薬などを求めて、アメリカの国立、州立など公園の中に入り込み、再生事業を前提にしない、個人の薬草ハンターがいるようだ。元々、インディアンや昔から治療薬だと知られていたものが、いつの間にか、商売の対象になり、自己の治療から商売のために乱獲されてきているという。

そもそも、アメリカの薬草を含めるサプリメント市場規模は230億ドルの規模らしい。つまり、対ドルの換算が115円だとして2兆6450億円の規模になる。薬草の占める割合がどれくらいのものか詳細は出ていないが、小さなものではないだろう。と云うのも、楡の樹皮を剥がして商売にしている人が後を絶たず、樹皮を剥がされた木はいずれは死んで行くのだそうだ。楡の樹皮は、咳止めや胃腸調整に役に立つと云うことらしいが、それにしても、保護を受けている国民の森林をこのように破壊する不届きものが出てくるのは、困ったことだ。楡の樹皮が必要であれば、きちんと植樹からはじめて、採取するべきなのに、薬草の採取がどこからなのかはっきりしないでも買い上げるところもあるのも問題だろう。

コロラドにいる日本人も、8月末頃になると、ナショナルパークに入り、キノコ狩りをする。私も何度か出かけているし、穫れたての松茸を食するのは楽しみだ。でも、多くの日本人が松茸にどんどんと採取をして行くと、森の住民であるシカたちの食事を取り上げてしまっているのかも知れない。あまり多くの人で乱獲をしないようにやるようにしたい。難しいところだ。ホント。

Wednesday, August 16, 2006

新ブログを始めました(姉妹編)

ボールダーロハスのブログにおいて、ボールダーから発信するアメリカなどロハスのニュースや視点を送ってきたが、ボールダーのことに関する日常のニュースにも触れて欲しいと云う人の依頼から、よりボールダーに専念したニュースや話題を提供しようとして新しいブログを始めました。このタイトルのリンクをクリックしていただければ、新サイトにたどり着く。両ブログともよろしく。

Tuesday, August 15, 2006

ヒート・アイランドは世界的傾向

ボールダーに移り住んでから比較的長いこと日本の夏を避けてきた。一時帰国するにしても、夏だけは避けたい。日本の風情、浴衣と夏祭り、かき氷、風鈴や蝉の声は想い出すが、最近の亜熱帯環境では行ってもあまり楽しくない。ヒートアイランドと云う表現はごく最近知ったが、まさにそうだろう。

だが、この環境は世界的に起こっていると云うことになると、考えさせられることが多い。8月6日付けのワシントンポストにWilliam Saletan記者はPlanet of the Indoor Peopleと云う記事を出した。彼の視点は、もちろん、生活をさらに快適にするために皆がどんどんと冷暖房をセントラルエアー化していることに注目している。その記事の中にいくつか考えさせられる数字が出ているので紹介をしよう。

まず、アメリカのシングル・ファミリーの家屋でセントラル・エアーを採用しているところは、最新データーでは87%に達したようだ。アメリカには北海道的な気候の地域もあるわけだから、不要なところにもエアコンが導入されていることになる。クルマのエアコン装備率は、98%の導入になっている。従来であれば、この数字を見ているとアメリカの先進性を感じるところだが、現在では、行き過ぎを感じざるを得ない。これだけの、エアコンなどを動かすのに、全米の発電所は夏にはピークを連続すると云うのは日本と事情が変わらないだろう。その必要とされる電力を発電するために、相当の石油と石炭を燃やしていて、環境をさらに温暖化に向けさせているのだから、大変なことだ。驚くべき数字は、全米発電量の6分の1をエアコン用に使っていると云う数字が出ている。しかもその数字は、人口10億人いるインドの発電総量を凌ぐのだという。また、クルマのエアコンを利用することで、クルマの燃費は、ガロンあたり4マイル劣化するので、それを全米のクルマの利用と掛け合わせると、何と年間に、エアコンを使っているから燃焼される余分なガソリンは70億ガロンに達するという。

もちろんエアコンを作動させるために必要なエネルギーを作るために多くの温室効果ガスが発生する。平均的なアメリカの家庭でのエアコンのために発生する温室効果ガスは3400ポンドの二酸化炭素だと云う。各人が排出しているガスが、さらに地球温暖化の原因になっているだが、皆が協調をしない限り、その抑制は達成が難しい。最悪なのは暑くなればなるほど、間接的にさらに石油と石炭を燃やしている事実だ。記事では、モントリオールから北へ行った1000マイルのところに住むエスキモーさえエアコンを購入し始めたそうだ。

現代人はヒートを避けて、どんどん室内へ逃げ込んでいく。緊急避難のつもりでエアコンの効いた室内へ逃げ込むのだが、それによって外部の温度はさらに上がっていく現象になる。かなり悪い悪循環と言えるだろう。今年の夏はロサンゼレスで多くの老人などが高温度のために無くなったのが報道されている。2003年にはヨーロッパでは3万5千の人が熱射で亡くなったと云われている。ヒートアイランドどころではない。

室内の温度を下げて逃げ込むだけでなく、アウトドアの温度を下げる努力をしないといけないが、そこへ行くために、個々人の努力が、意識が、まだ高くないと思う。冷房が悪いとは云わないが、悪循環を断ち切る努力をどこかで行なわないと、大変なことになる。このような状況下での企業のビジネス新規アイデアが生まれ、既存の方式でない、ソーラーや風力で冷却技術を導入することが望まれるところだろう。わが家は、最近改築したが、天井の張り出しを増やすなど、クーラー無しでの生活ができている。もちろん、ボールダーでの生活であり、東京では無理なのかも知れない。早く東京に夏でも行きたいような雰囲気になって欲しい。

Sunday, August 13, 2006

フカヒレ・スープとアメリカの環境派

私は以前から日米の報道のポイントの違いに関心を持っている。日本のメディアは、もちろん日本の読者にとって何が大事なのか彼らなりに選別して報道をするが、必ずしも、アメリカ側のライフスタイルやトレンドのニュアンスがうまく伝わらないことが多い。それは特派員の主たるバックグランドは、政治経済の専門家であることが多いからだと云う気がしてならない。誌面の制約と云うこともあるだろうが、そのようなところから、何となくすき間が発生していることを感じる。今回取り上げるフカヒレスープについても同じだ。日本の電子版の新聞を見たのだけれども、アメリカの環境保護団体が中国を中心としたフカヒレの消費についての攻撃については記事が出ていなかったので、ニューヨークタイムズ日曜付けの記事を簡単に紹介をしたい。

日本のシアトル・マリーナーズのイチロー選手に匹敵するのような国民的な英雄が中国の姚 明(Yao Ming)だ。姚 明は、アメリカのプロバスケットボールでは背丈が最も高い2.29メートルの超人。現在、プロチームのヒューストン・ロケッツで活躍している、NBAでは最も強いセンターとの評判の主。姚 明はアメリカの大企業のスポンサーを得て、テレビコマーシャルなどにも多く出演しているヒトなのだが、当然中国では、イチローを凌駕するほどのスポーツヒーローなのだそうだ。彼の穏やかで純真なイメージは多くのアメリカ人を魅了している気がしてならない。

アメリカでは、セレブが何か社会貢献のための活動をすることが、必須のような時代になっている。ボノのアフリカ難民対策、リチャードギーアのチベット解放、ブラッド・ピットとアンジェリーナ・ジョリーのアフリカの子供たち救済の活動は有名だ。アメリカのエネルギーを中心とした外交政策の批判をするジョージ・クルーニーあるいは、環境やエネルギー政策に重大な関心を持っているレオナルド・ディカプリオなどもいる。ハリウッドのスターたちを見ているとアメリカの「社会正義」がどんなことを考えているのかが窺えると云うのは面白い。

今回の姚 明の活用は、Wild Aidと云う自然保護団体がアメリカ国内向けだけでなく、中国向けに批判の矛先を向けたと云う点で特筆するべき案件だ。何せ、中国の政府や国民のライフスタイルに真っ向から批判するような発言を中国のヒーローにさせるのだから、驚かざるを得ない。それを引き受けた姚 明の中国での立場も微妙になって来よう。ただ、彼は、アメリカに来て、自国の自然破壊を感じていることだけは事実のようだ。フカの保護と云うのが、あるいは絶滅に瀕した動物保護全般の良いサポーターになっていく気がする。イチローが日本の捕鯨反対を言うようなものであり、やはりすごいことだと思う。

キャンペーンは、中国では昔ならば王侯貴族しか食べられなかったフカヒレスープが、中国経済の躍進と海での捕獲技術の飛躍的な発展で、大量に獲れるようになったことから原材料となるフカの乱獲が始まり、このままで行けばフカは絶滅するかも知れないという危機感から生まれた活動だ。中国でフカヒレ・スープでおもてなしをすると云うことは、最上のおもてなしとされているようだが、そのためにフカの乱獲を止めようとする活動は不発に終わってきていた。私もWild Aidと云う組織がどのような組織か知らないが、姚 明を引き出させた点は、活動を認知させるための大いなる成果だったに違いない。姚 明のコマーシャルは、タイトルにリンクをしている通りだが、これは象の保護を謳ったもの。

ニューヨークタイムズの報道を見る限り、姚 明が当局からにらまれたり、あるいは国民から無視されたりするリスクまで冒したこの案件だが、中国のメディアはほぼ黙殺に近い状況のようだ。フカヒレスープは中国国民にとっては、贅沢の象徴としてはなくてはならないものらしい。今後のこの象徴的な王侯貴族の料理が、自然とのバランスでどのようなことになるのか関心がある。昨日は、アメリカのガソリン依存症がなかなか変化できないと云うことについて書いた。中国ではフカヒレらしい。このように、ライフスタイルを変えていくのは難しい。それによって地球の環境はどんどんと悪くなっていくのは困るものだ。一人でも多くの人が、人間中心の考えからから脱却できるように、引き続き啓蒙し合いたいものだ。今日の昼飯は中国料理を食べにいくが、もちろんフカヒレ・スープはたのまない。

Saturday, August 12, 2006

ライフスタイルを変えるのは難しい?

アメリカ人の地球温暖化への対応を見ていると、まだまだなまぬるいと思う。先日、アラスカの原油パイプラインの酸化腐食が進んでおり、輸送に危険なのでパイプラインを使った輸送を止めることが発表された。そのニュースのために、アメリカのガソリン価格はスタンダードのものがはじめてガロンあたり3ドルを超えることになった。アラスカのパイプラインを使用していたのはBP社だったようだが、アラスカ州知事が予想される収入の激減で雇用凍結を発表するなどでアラスカ経済がいかに石油漬けになっていることが明らかになった。その直後に、圧力があったからかどうか知らないが、二本あった石油パイプラインルートの内、一本を再開すると発表されたが、ガソリン価格は下がってきていない。

いろいろなテレビニュースの情報によると、アメリカのドライバーは困りきっているというが、一方では、昨年同期比通期で見ると何とガソリンの使用は2%ほど増えているという。アメリカの景気が少しずつ回復してきていることと、人口がもう少しで3億人に達することを考えると理解できないでもないが、どうもテレビの報道で云われているほどガソリンの節約につながるライフスタイルの変化はないらしい。

今回のタイトルのリンクを見ていただくと、CNNによるとアメリカリテーラー最大のウォルマートがトウモロコシからのエタノールを、スーパーのガソリンスタンドで売ることになったと書かれている。ウォールマートが出てくる背景は知らないが、ガソリンのスタンドでエタノールを販売するのには、設備を変更せねばならず、あまり全国的にガソリン小売りの中ではその動きが出ていなかったのだが、ウォールマートが本格的に出てくるとなると、かなり大きな動きと云わざるを得ない。GMやフォードなどがエタノール車をすでに開発していること(ブラジルでの経験が生かされている)、農務省が農業生産者へのサポートをしようとしていること、国家的に中東からの石油依存を低くすると云うことでの口実がある、一応は、エタノールの方が環境汚染の度合いが少し低いことなどがあげられている。

ブッシュ政権は産油州としては大きなテキサス出身であり、副大統領のチェーニー氏も石油資本との関係が深いのでいろいろと憶測が飛んでいるが、アラスカやメキシコ湾岸の石油開発、引いてや、ロッキーマウンテン地方でも石油開発が国家戦略に沿ったものと云うことで推し進めようとの動きが出てきている。環境派などが、反対しにくい状況と云わざるを得ない。

アル・ゴーア元副大統領のAn Inconvenient Truthの強いメッセージが受けれいられて、ライフスタイルが変化しているところもある。しかし、ウォルマートなどがエタノールを小売りしようと考えていること自体、アメリカの大半の人はライフスタイルを変化させたくないと見ていると感じる。日本の自動車メーカーのハイブリッドなどが、どんどん売れてくれば、社会は変わっていくだろう。ハイブリッドは確実に売れていくだろう。早く多くのモデルに装置され、さらにコストが下がって欲しい。が、まだ、一般的に言って、モノの供給体制が、省エネマインドになっていないのだから、いくら省エネしようといっても、ついて来ないのかも知れない。昨晩もディスカウンターのCostcoでソーラーパネルを売っている人たちに出会った。残念ながら、コストはまだ高く(自分の家では既に実行しているが、、、一般家庭でそれが大きな流れとなるのは、経済的に魅力あるものにならなければ変わらないのだろう。そう言えば、テレビのニュースキャスターは一つ気になることを言っていた、、「ガソリン価格は上がったが、インフレ上昇分を計算に入れると、この20年間では、相対的にガソリンはまだ下がっている」、と言ったのだ。どうもアメリカは、地球温暖化の問題を理解していないヒトが多いらしい。この点でも、さらに社会インフラが変わることを願っている。

Tuesday, August 08, 2006

見直したい石油化学製品の家庭利用

私は消費者と云う言葉が気になっている。生産者に対応をした消費者と云う言葉なのだろうけれども、自主性がないヒトと云うニュアンスがしてならない。確かにテレビのコマーシャルを始め、広告漬けの中で生きている現代人は、どれほど必要かどうか分からない品物まで上手な広告のお陰で買ってしまう。モノを買えば、GDPが拡大をするので、経済活性化することになっている。今はそれが善とされている。自分もこれまで「要らないモノを買う」と云う多くの罪を犯してきているが、最近にそれがすごく気になりだした。もちろん、ケチと云うよりは、なぜ買うのかをきちんと正当化できなければ買わないと云うだけのことなのだが、「欲しい」から「これだから必要」と云うマインドになってきていると思う。

今日のニューヨークタイムズ(タイトルクリック)を読むと、家庭用の室内用フレーグランスを恒常的に使っていくと、血液中に発がん性物質1、4ジクロロベンゼンの残留値が高くなるとの長期試験結果が出たらしい。そんなことを読むと、その他の家庭用品のすべてを疑いたくなる。香りもさることながら、ホコリがつきにくい、虫除けになる、光沢が長く保てる、除菌効果がある、すべてについてどのような総合的な身体へのインパクトを考えて検査されたものなのだろうかと、思う。洗濯洗剤にしても、きれいに洗える、香りが良い、ソフトなタッチになると云うメリットばっかりだが、下水で流された後のことは、誰も広告しない。何となくきな臭い感じがする。

アメリカでは、ここ数年にかなりのナチュラルスーパーが出てきているので、総合的に環境のことを考えて品物が作られている感じがする。環境意識を持って品物を作るところと、株主のことだけを考えて利益を上げようとする企業には、何か大きな差がある。もちろん、企業側にしても、これまでのビジネスモデルをすべてひっくり返して、環境だけに専念すると云うことは簡単にできないだろう。原材料の調達、ユーザー側の求めているものは何かの再検証、利益モデルなどもきちんと押さえなければならない。現行の生産から流通までの流れを見ていくと、どうしても相互依存のパターンができており、良いものを売ってるときなら良いが、(例えば環境に)悪いものを売っていても簡単に変更できないと云う複雑さがある。洗剤などにみる石油化学製品がその良い例だと思う。

化学工業などの発展で、家庭でも多くの利便さが増えた。しかし、それをよりバードビューな観点から、それぞれの「消費材」がどのような環境へのインパクトを与えているのか、厳しく判断をする必要があろう。残念ながら、マスコミも広告収入に頼ったりするので、全面的に頼りにならない。使う側の視点で、しかも総合的な環境問題を十分に加味した上での判断ができるのは、官ではなく、地球人のわれわれの責務だと感じている。しかし、よほどのことでもない限り、反企業的になる必要はないだろう。これこそ「消費者」の意識にかかっていることだから買わなければ、メーカーも商品を変化せざるを得ないだろう。だから、皆で意識を高めていくことが、最良の行動なのだ。その「消費者」なら、かなりの自主性を持ったヒトに変貌している。頑張ろうー。

Monday, August 07, 2006

現代版「淋しいアメリカ人」

桐島洋子さんが1971年に書いた「淋しいアメリカ人」は知られざるアメリカを日本に紹介したと云うことで、かなり話題になった本だ。私も70年代にアメリカにいたので、その当時を振り返ると、「淋しいアメリカ人」は既にその頃から傾向は出ていたと実感していた。最近のアメリカの仕事のペースを見ていくと、余裕が無くなってきている中で、さらに悪化しているとつくづく思う。インターネット、携帯電話、ブログなどで人と人のコミュニケーションが盛んになってきているのだが、一方では、深い付き合いをするケースが少なくなり、接点は広がるけれどもコミュニケーションの密度は低くなってきていると言えないだろうか。

CNNが紹介している記事(タイトルにリンク)では、この共同体に入り込めない人、あるいははみ出してしまった世代は、特定できないほど広まっているようだ。大学生から始まり、中年、初老、そうして高齢者のすべての代で人と人のつながりが薄れてきているようだ。表面的には、人との接点があっても内面的には満たされないことが多くなってきているのだ。新規に友達を作ることが難しいことになってきている。

ここで、この問題の原因を突き詰めて、解決策を提案するつもりはない。ただ、淋しいアメリカ人が出てきている中で、その対応策を練るとしたら何をするべきか考える時に、一人で解決できないことだけは確かだ。ただ、多くの人が同じように悩んでいるのであれば、器さえしっかりと作ってあげたら、変化する可能性があると信じている。

今の日本を見ていると、アジア市場の活性化で日本も潤い始めている気がする。企業も以前に比べて効率主体の経営を始めており、株主への対策をきちんとしようとするようになった。しかし、職場の余裕が無くなっている分、できる人たちが疲弊してこないだろうか。ストレスも高まり、個人的な仕事以外での交流の場も狭まり、いずれ、淋しい人たちが増えてくる気がする。もちろん、家族も巻き込まれるような形で被害を受け、同じ家庭にいながら、意見交換が自由にできない家庭も多くなったと聞いている。

企業の生産性の効率を高めるのには大賛成だが、「遊び」の文化を、おしゃれに企業風土に組み込めるように、人事管理を始める時代になりそうだ。風通しが良く、幸せな職場が、さらに生産性を高めることを理解するべきだろう。生産効率と従業員の満足度はかなりの大きな相関関係があることを理解しなければならない。淋しいアメリカ人かも知れないが、ボールダーで見ているアメリカ人の血色は良い。そこが何かロハスなのだろうか?日本にも早くボールダー的なところが増えて欲しいと思う。

Friday, August 04, 2006

共和党右派の道具とされる教会

ロハスの話題に宗教のことを語るのは適切でないかも知れないが、良識派の保守派の人々がどのように悩んでいるかをニューヨークタイムズできれいにまとめているので、アメリカを少しでも理解するために簡単に説明をしたい。

ブッシュ政権が登場する政治的な後押しの陰には、アメリカの原理派プロテスタント集団がいると見る人は多い。特に堕胎問題、ゲイの問題などを政治の道具と化して、教会の集票力を用いて、ブッシュ大統領の当選と共和党「右派」のためにワシントンにこの7ー8年大きな影響力を行使してきた。最近では、イラク戦争を正当化し、中東への軍事介入がアメリカの神の思し召しのように、反戦運動する人を非国民のごとく扱ってきた。政治と宗教の分離をまったく無視したこのやり方は、まるで日本の総会屋を使った株主総会を彷彿させる。民主主義と言いながら、このような形での、「神の思し召し」を振り回し、おとなしい人々に有無言わせぬ方式が続いてきた。知的な層の多いボールダーの街はこのような問題はないのだが、アメリカ南東部のいわゆるバイブルベルトの力はかなりのものであり、保守層の教会との繋がりが強いだけにアメリカの政治に大きな歪みが発生していると言えよう。

ニューヨークタイムズが紹介するこの記事は、宗教とはそもそも政治を動かす道具ではないのではないかと云うことを主張する一人の牧師にスポットを当てている。その牧師は、「十字架と剣」と題した、一連の説教を行ない、教会としては剣に重きを置くのではなく、十字架に重きを置くべきだと云う流れの説法を展開したことを報道している。教会の信者の中で、「総会屋」的な人々に振り回されていた信者が、牧師の毅然たる態度で教会が正常化していることを喜んでいることが紹介されている。面白いのは、この牧師が、まだ主流でないにしても、すでに同じような立場で、教会の政治道具化を懸念している著作が6冊も出されていると云う。

ボールダーの宗教的な状況を見ると、人々はとても宗教には寛容だ。ここでは、特定宗派が、宗教を道具化していることはない。宗教は心の安らぎを与えることで、大きなロハス的な役割を果たしているが、政治とゴッチャになることでストレスが跳ね上がる気がする。宗教が、精神の世界からはみ出て、政治の具となっている世界の各所のところを見ると必ず争いが発生している。人の思想を認め合えない宗教はロハスではないのだろう。こんなことをボールダーで考えた、、、

Wednesday, August 02, 2006

省エネ住宅に弾みか

7月のアメリカの自動車販売台数の発表があったが、その中で、月販べースでトヨタ自動車がフォードを、そうして本田技研がダイムラー・クライスラーを凌駕したことがアメリカのメディアでかなり大きく報道されている。GMやフォードの激減は、これまでの大型RVへの依存が強かったことが、今回の販売台数の激減と関係していると書かれている。モデルイヤー変更の直前になる夏は、在庫一掃のためにメーカーがこぞって販促に力を入れる時であり、在庫を減らせないでいると、新規モデルの投入についても力が入りにくい。大型車依存が高いために、GMとフォード社の販売にかげりがみえるのは、今後メーカーの生産計画やモデル開発の方向でも大きな潮流の変化のきっかけをもたらすだろう。巨大タンカーのような航行だから、急激に方向転換はできないだろうが、大型車中心の事業モデルは変化せざるを得ない。この厳しい、市場情勢を経て、アメリカの自動車メーカーがどのような方向に転換を始めるのかは、きわめて面白いところだ。

さて、クルマよりもGDP(国内総生産)に大きな影響を与える住宅建設の方向についてだが、ロサンゼレスタイムズの記事を読むと、住宅建設にあたっては、省エネや代替エネルギーを使った建築方式が盛んになりそうな報道をしている。つまり、これまでの住宅においての、建設であろうと改造であろうと省エネ対策をすることは投下するコストを回収するのは難しいとされてきた。クルマもそうだが、ハイブリッドのプレミアムや、ソラーパネルなどのプレミアムは、その上乗せ分が再販価格や下取り価格に反映をしないと言われてきたからだ。

しかし、ここへ来て、住宅を購入する人は、より省エネ対策を施されている建物を選び始めていると云う。つまり、電気代やガス代の節約対策がされている家にプレミアムがついてきた訳だ。これまで、住宅の売値を上げるためには、キッチン、トイレ、屋外のパティオなどを改造すれば値段が高まると云われてきたところに、徐々に、ソラーパネルがあるのか、断熱材やガラスなどの熱遮断対策がされているのかが買い手側の関心になってきていると云う。しかも、現在の市場において、まだそのような対策をしてきた家が少なかったことから、そのような家の再販価格が高くなっていることもあり、市場全体がそのような方向に動き始めているのだろう。

省エネと云う言葉は、これまでもアメリカでは多く語られてきたが、このように市場の反応が変化するにつれて、実際に需要が高まりつつあるために、需要が需要をさらに生むと云うことになろう。シャープ社の米国法人が今年の春に行った調査によると住宅購入予定者の64%もの人がソラーエネルギー対策を施した家は高くとも買うことを表明したと云う。家を売る時に、過去一年の平均光熱費を示すようにしているが、その金額が低いことを見せることで、住宅購入希望者の購入意欲はさらに高まってしまうようだ。

現在のところ、省エネ対策を施している比率が低い中で、省エネ投資をした時の投資回収はまだまだ高いと云えそうだ。現在のエネルギーコストが下がりにくいと見込まれているだけに、今後の省エネ住宅建設、改造に大きな弾みがつきそうな勢いだ。

Tuesday, August 01, 2006

2007年は、オーガニックスーパー戦争元年

ボールダーが、ロハス市場の先行指標とするならば、当地における来年のオーガニックスーパーの競争状況は激戦区になるのは明らかだ。アルバートソンと云うコンベンショナルスーパーがボールダーの2店舗を閉鎖して間もないことだが、それに代って、今度は、ナチュラル・オーガニックのサンフラワー・ファーマズ・マーケットがオーガニック激戦区ボールダーに参入するとこのほど発表をした。

サンフラワー・ファーマズマーケットは元々、ボールダーのワイルドオーツ・スーパーを作ったMike Gilliland氏のもの。同氏は、ワイルドーオーツを2001年に手放した後、ボールダー以外の町で、再度ナチュラルスーパーチェーンを作り始め、サンフラワーズマーケットを着々と築き上げてきた人物。5年ほどで、現在米国市場に米国南西部に11店舗を構えるまでになり、古巣であり、本人も住んでいるボールダーの街への再度の殴り込みをかけることを決意したようだ。

サンフラワーズ・マーケットの特性はベストな品質を、最も安い価格で提供することをモットーに事業を立ち上げてきたスーパー。 "Better-than-supermarket quality at better-than-supermarket prices" だそうだ。しかも、ディストリビューター経由で食品を調達するのではなく、生産者が直に納める方式を掲げ、大量の買い付けとすぐ支払う方式で、大手のナチュラルフーズに対抗する意識をあらわにしている。棚割当や特別なフィーもとらない方式は、確かに現状のスーパーとは違い、生産者と手を組む方式ともとれ、鮮度と価格で、このナチュラル・オーガニック業界を震撼させる影響力を持ちそうだ。地元紙では、ディスカウンターとして扱われ、高級化やブティック路線を行くその他のナチュラル・オーガニック・スーパーとはっきりした戦略の違いを見せている。

店舗を開設するところは、まさにボールダーの街の中央で、半径1マイルのところに、ホールフーズ、新規ワイルドオーツの旗艦店、ビタミンカテージ、あるいはコンベンショナル・スーパーのセーフウェー、キングススーパーが集中しているところ。低価格、高品質を掲げることでアルバートソンの店舗閉鎖に続き、セーフウェーやキングスーパーがどのような対策を取り得るか、ナチュラル・オーガニックを知り尽くしたMike Gilliland氏が殴り込みをかけることで、ワイルドオーツやホールフーズがどのように対応をするのか今から大いに楽しみだ。

オーガニック・リテールがボールダーで勝ち残る戦略、あるいは、市場をどのように分割し合うか、それぞれのリテーラーが特性を引き出し新たなオーガニック市場が浮かび上がっていくことだろう。ロハスな市場がどのように動いていくのか占う上で、極めて大きな市場参入となりそうだ。

1500単語の英語放送

今日はロハスに関するテーマから少し離れてみよう。

英語圏で仕事や生活をして、長い年月が経過したが、英語の多様性、新規性、変動制に直面すると、この言語をマスターするのがいかに難しいか私個人も実感している。日米の橋渡しをして多くのことをしてきたが、もっと多くの日本人に英語を学んで欲しいものだと思う。英語を少し分かるだけでも、旅はとても面白いものに変わることは間違いない。

昨日も日本の名古屋の人が研修でボールダーに来て、家族を連れてくるのであれば、日本人に対してどのようなサポートがあるのかとボールダー市の観光局長に問いただす場面があった。観光局長も、返答に困りきっていたが、本当に家族でボールダーの生活を短期間でエンジョイをするにしても英語ができなければ問題だと云うことが明らかだった。

日本人が多く英語の勉学で苦労をしていることに同情をせざるを得ないが、英語学校に行くにも時間がなかったり、カネも掛かったりで大変だろうと思う。筆者は、英語を学ぶ手段として、高校時代から仕事をはじめて何年経っても、米軍極東放送(FEN)を聴いて英語の発音や言い回しを練習した。短波放送は試みたのであるが、面倒で、いつでもラジオをつければ聴けた極東放送が便利だった。特にニュースを聞いたりして、日本のニュースとは違い視点でモノゴトを聴けたことを、視野を広める上でとても参考になったと記憶している。

インターネットが盛んになるにつけ多くの英語を学ぶ手段が増えてきていると思う。その中でも、今日面白い記事がニューヨークタイムズ紙に掲載されている。それによると、米国政府が海外向けに行なっている放送(Voice of America)が、44カ国語で放送をしているようだが、スペシャル英語を含めると45語か国語、の放送があるという。そのスペシャル英語とは何か、読んでみたら、放送に使う言葉を1500単語に限定をして、口語的な言い回しを減らし、単純な表現で、発音もゆっくり、はっきりとしたものを使い、放送をしているのだと云う。試しに聴いてみたら、低学年児にニュースを聞かせているようなアナウンサーの声をウェブから聞くことができた。これなら、英語の勉強をするにしても構えてすることなく、学校時代に習った単語でも聴けるようになるだろうと云うのが実感だった。

日本語は大事にしていきたいが、日本の国際化を考えるにつけ、是非とももっともっと多くの人に英語が自由に操れるようになって欲しい。少なくとも、ボールダーに来て、最少限のコミュニケーションができれば、日本のロハスがさらに深まるかも知れないと思う。Voice of Americaへのリンクはタイトルのところをクリックしたらいけるようになっているので、気楽に活用していただきたい。