Saturday, August 12, 2006

ライフスタイルを変えるのは難しい?

アメリカ人の地球温暖化への対応を見ていると、まだまだなまぬるいと思う。先日、アラスカの原油パイプラインの酸化腐食が進んでおり、輸送に危険なのでパイプラインを使った輸送を止めることが発表された。そのニュースのために、アメリカのガソリン価格はスタンダードのものがはじめてガロンあたり3ドルを超えることになった。アラスカのパイプラインを使用していたのはBP社だったようだが、アラスカ州知事が予想される収入の激減で雇用凍結を発表するなどでアラスカ経済がいかに石油漬けになっていることが明らかになった。その直後に、圧力があったからかどうか知らないが、二本あった石油パイプラインルートの内、一本を再開すると発表されたが、ガソリン価格は下がってきていない。

いろいろなテレビニュースの情報によると、アメリカのドライバーは困りきっているというが、一方では、昨年同期比通期で見ると何とガソリンの使用は2%ほど増えているという。アメリカの景気が少しずつ回復してきていることと、人口がもう少しで3億人に達することを考えると理解できないでもないが、どうもテレビの報道で云われているほどガソリンの節約につながるライフスタイルの変化はないらしい。

今回のタイトルのリンクを見ていただくと、CNNによるとアメリカリテーラー最大のウォルマートがトウモロコシからのエタノールを、スーパーのガソリンスタンドで売ることになったと書かれている。ウォールマートが出てくる背景は知らないが、ガソリンのスタンドでエタノールを販売するのには、設備を変更せねばならず、あまり全国的にガソリン小売りの中ではその動きが出ていなかったのだが、ウォールマートが本格的に出てくるとなると、かなり大きな動きと云わざるを得ない。GMやフォードなどがエタノール車をすでに開発していること(ブラジルでの経験が生かされている)、農務省が農業生産者へのサポートをしようとしていること、国家的に中東からの石油依存を低くすると云うことでの口実がある、一応は、エタノールの方が環境汚染の度合いが少し低いことなどがあげられている。

ブッシュ政権は産油州としては大きなテキサス出身であり、副大統領のチェーニー氏も石油資本との関係が深いのでいろいろと憶測が飛んでいるが、アラスカやメキシコ湾岸の石油開発、引いてや、ロッキーマウンテン地方でも石油開発が国家戦略に沿ったものと云うことで推し進めようとの動きが出てきている。環境派などが、反対しにくい状況と云わざるを得ない。

アル・ゴーア元副大統領のAn Inconvenient Truthの強いメッセージが受けれいられて、ライフスタイルが変化しているところもある。しかし、ウォルマートなどがエタノールを小売りしようと考えていること自体、アメリカの大半の人はライフスタイルを変化させたくないと見ていると感じる。日本の自動車メーカーのハイブリッドなどが、どんどん売れてくれば、社会は変わっていくだろう。ハイブリッドは確実に売れていくだろう。早く多くのモデルに装置され、さらにコストが下がって欲しい。が、まだ、一般的に言って、モノの供給体制が、省エネマインドになっていないのだから、いくら省エネしようといっても、ついて来ないのかも知れない。昨晩もディスカウンターのCostcoでソーラーパネルを売っている人たちに出会った。残念ながら、コストはまだ高く(自分の家では既に実行しているが、、、一般家庭でそれが大きな流れとなるのは、経済的に魅力あるものにならなければ変わらないのだろう。そう言えば、テレビのニュースキャスターは一つ気になることを言っていた、、「ガソリン価格は上がったが、インフレ上昇分を計算に入れると、この20年間では、相対的にガソリンはまだ下がっている」、と言ったのだ。どうもアメリカは、地球温暖化の問題を理解していないヒトが多いらしい。この点でも、さらに社会インフラが変わることを願っている。

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