Friday, June 20, 2014

ロハスは続いていくのか?

蝶の一生を大まかに分けると、卵(たまご)、幼虫(ようちゅう)、蛹(さなぎ)、成虫(せいちゅう)の4ステージがあるわけだが、ロハスもまさに、このステージごとの変態(メタモルフォシス)を経て成長していると見ることはできる。しかし、飽きっぽい日本人は、ロハスという言葉、あるいは概念がすでに大方定着したので、次のトレンドは何かとよく聞いてくる。いやいや、ロハスは終焉をしたのではなく、これから「本格的」に稼働を始めると考えなければいけない。

近視眼的に見ると、あるいはロハスは一つの流行だったと言えるかもしれない。それは多くの人がロハスを商機としてとらえたからに他ならないが、何でもロハス、ロハスになり、ガンガンと言われ続けるとロハス疲労を来している人も多くなったのだろう。しかし、ロハスが唱えてきた、持続可能な経済、健康的なライフスタイル、代替医療、自己啓発、エコなライフスタイルといった5本柱は、衰えるどころか、ますます広まり、定着化していくのは間違いない。今後はそのカテゴリーは、バラバラのものではなくより統合化されたものに変貌を遂げていくだろう。統合化される過程でこの五つのカテゴリーは次世代のパズルを解くキーワードになるのだ。

まさにロハスという言葉自体、80年代の初めから半ばにパーソナルコンピューター(PC)が出現し、マイクロソフト社が、ワード、エクセル、パワーポイントなどの統合ソフトを出し「マイクロソフト・オフィス」と命名したのに似ている。ロハスもすでにあった事象を、後述の社会学者がまとめた研究だった訳であり、五つの社会的潮流をロハスと命名した訳なのだ。それまで別々だったものが統合化されてくると、カテゴリーは集束し始め垣根はなくなっていく。

今の若者はPCの変態(メタモルフォシス)であるスマホのない生活は考えられないが、ロハスが唱えてきた5本柱は、すでにより統合的なムーブメントに変化をし始めている。ロハスという言葉が残るかどうか何とも言えないが、ロハスの定義で含まれた5本柱は、蝶のようにメタモルフォシスを経ながら、成虫となり羽ばたいていくことになるだろう。

このブログでは、そのメタモルフォシスがどのような形で進んでいるのか、今後予想される姿がどのようになるのか、ボールダーの街から見てマクロやミクロの視点から検証していってみたい。まずは、ロハスは蝶の一生のように卵(たまご)、幼虫(ようちゅう)、蛹(さなぎ)、成虫(せいちゅう)の4ステージがあると最初に書いたが、それについても少し述べてみたい。これは全くの自説なので、区分で異説が出てくるかもしれないが、最初は個別の案件だったものが、徐々に集約していっている経過を示すためのものなので、ご理解いただきたい。


卵(たまご)期 レイチェール・カーソンの「沈黙の春」、ローマクラブの「成長の限界」などの著作が現れた時期 (1950年代終わりから70年代初め)

幼虫(ようちゅう)期 自動車排ガス規制などが始まる70年代半ばから気候変動に関する国際連合枠組条約の京都議定書が討議された90年代の後半まで

蛹(さなぎ)期 ナチュラルスーパーのホールフーズなどが出現し始める80年代後半から(一部重複)Natural Expo WestやBiofachなどの有機商品の世界的な展示会が始まる00年代半ばまで。この時期の後半にロハス・コンセプトに関わる著作「文化的な創造者たち」現れる。

成虫(せいちゅう)期 アル・ゴア米国副大統領が「不都合な真実」を著す06年前後以降。ハリケーン・カトリーナやハリケーン・サンディー、あるいは東北大震災の福島第一原発事故の時期とも重なる。

これから書いていくブログでは、必ずしもロハスを前面に出さないかもしれないが、ロハスの核となっている五つのカテゴリーについては、それがどのような形で変貌しようとしているのかマクロやミクロの点で書いてみるつもりだ。その前に、ロハス広まりの経緯やより歴史的なところに足を踏み入れてみることにしよう。

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