Friday, September 01, 2006

先行者の苦難大、頑張れ加州!


昨日のブログで書いたが共和党のシュワーツネーガー州知事が、州議会の民主党議員と手を組んで、温室効果ガス排出削減の州規制を決めたことを紹介した。自分の政党である共和党とではなく民主党と手を組んで二酸化炭素排出の規制を始めた訳だからすごい。ハイテク産業の多い加州だが、重工業などもある訳であり産業界が二分していることを今日のニューヨークタイムズは報道している。

連邦政府が、産業界全体の意向を受けてか、地球温暖化に向けた統一的な対策を積極的に推進していない訳だが、今回の州ベースによる規制はカリフォルニアが先鞭を切った。その背景については、ニューヨークタイムズ紙が掲出している統計を見れば十分にうなづける。加州一州だけでフランス一国よりも二酸化炭素排出をしていると云う数値を見ても、無視できない状況にあることがわかる。加州は、また、自動車の燃費規制などにも州独自の基準を設け始めるなど、連邦政府がやっていないことを暗に非難するかのように、次々に環境に良い施策を打ち出している。今日のブッシュ大統領の演説などもイラク戦争を正当化することだけに費やされているが、アメリカ国民の支持はだんだん薄れてきている。願わくば、テロリストがアメリカ国内でまた何か凶暴なことをしでかして欲しくはない。ブッシュはその恐怖を国民に訴え、先回の大統領選挙に当選したようなものだから、、

州規制を厳しくし過ぎると、企業の投資意欲が高まるのではなく、州から離れていくことも考えられる。法人税の高い加州はすでにその現象は大いにある。それは共和党の連中が言っていることのようだが、排出ガス規制の対象になるような企業は、発電、石油精製、セメントなどの業態であり動きにくいところもあるだろう。彼らが規制反対に回っているが、例外が出てきた。北加州に本拠を持ち事業しているPacific Gas and Electric Companyは環境対策を打ち出さない限りは、より大きな地球的な問題に直面することを受け入れたらしい。同社のPeter Darbee社長は、多くの著名な気象学者にヒアリングを行ない、地球の温暖化と排出ガスの関連性を聞いたと云う。それによると、もはや待った無しの状況であることが明らかになり、PG&E社としても排ガス規制を受けれる側に回った。もちろん、何らかの策があってのことと思うが、とても勇気のあることと言えよう。

政治家や官僚は、とかく現状維持を好む。あるいは、現状維持に近い、予測できる方向性を求めるきらいがある。その中で、カリフォルニアの政治家は、追い詰められたと云うべきか?あるいは真剣に環境のために考えてのことか分からないが、いずれにしても、連邦政府としても無視しえない状況をカリフォルニアは作り始めたと言えよう。人口10万人のボールダーが叫んでも、ワシントンでは無視し得るが、カリフォルニア州が動くとなるとインパクトがとても大きい。ロハスの意識があるために、政治も変わってこざるを得ない。ボールダーから加州の実験に大きなエールを送りたい。

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