Monday, July 21, 2008

新車販売のステッカー・ガイドライン

アメリカ消費者の欲するクルマのテイストを変えるのはどれくらい大変なことか、長いこと考えてきた。1970年代の二回のオイルショックを経てアメリカの大型車は無くなるのかという予測に反して、アメリカでは大型車は豊かさの象徴のごとくして小さくなる傾向が見えなかったからである。ガソリンの値段も徐々に上がっていたのだが、ピケンズ氏が言うように、アメリカの石油の内、輸入モノに依存する度合いは、1970年の24%から最近の70%と云う水準まで上がってきてしまった。歴代アメリカ政府がこの点を無視してきた点は信じられない。

アメリカ人は、持ち前の楽観主義からか、ガソリンの値段が上がっても、また、景気のサイクルで下がってくると云うことを考えていたとしか思えない。しかし、最近になると中国やインドなどの石油需要が増大しているので、値段が下がって来ないという実感みたいなものを感じたせいか、突然に消費市場は転換し始めている。しかも、大きいことは良いことだという発想が、地球温暖化などの知識人の呼びかけによって、徐々にではあるが、大きくなくとも良いではないかという発想に切り替わりつつある感じがする。

今日紹介するのは、今月の初めにカリフォルニア州が打ち出した新車販売時の性能やオプションの表示の他に、「地球温暖化スコア」なる認定数値をクルマの窓に貼ることが義務づけされたという。加州は、単一州としては、全米でも最大の自動車市場でもあり、一方ではスモッグなどで悩まされていたこともあり、これまでは「スモッグ・スコア」を表示することが義務づけられていた。今回の地球温暖化スコアが実施されるようになるのは2009年の1月からだが、地球温暖化スコアなるものを表示したから人の購買にどれだけインパクトを与えるのか想像できない。1−10までのスコアで、数字が高ければ高いほど環境に良いクルマと云う定義になるのだが、何だか子供騙しみたいな感じがする。カリフォルニア州のシューウォーツネーガー州知事が、共和党の出身なのにも関わらず、こうやって多くの施策をとり行なっているのは素晴らしいことだが、見込んだ成果が得られない、何か不発弾的なプロジェクトの気がしてならない。

民間の努力は、より人々の財布の方に眼を向けさせているので、その方が効果的なことになるかも知れない。アメリカの大方の街では、自動車無しの生活は、あまり考えられないが、今までの走行距離無視のやり方は無くなってきていることだけは事実だ。人々は、毎回自分でガソリンを満タンにする度にコストが上がっているのを感じ取っていることから、スーパー、リテーラーの間で、どのように人々に自分のところに消費者に来てもらうのか必死になって考え出そうとしている。これまで、バーゲン探しで、複数のスーパーへドライブしていた消費者を自分たちのところだけに来させようとして、ルーティンで買うものを取り揃えてあげるとか、リピーターの場合はさらにディスカウントを与えるかなどの施策を打ち出そうとしている。

この図でも判るように、消費者への呼びかけは、3カ所を回ってバーゲンハンティングをする代わりに、当スーパーだけで買えば、年間163ドルの燃費節約になり、買い物としては6.5バスケットほどの買い物が無料になりますよと云う働きかけだ。確かに、アメリカの道路の混雑具合は減ってきている。毎月のガソリン代の家計費分を一定にして行くからには、より効率的なドライブの必要が迫られている。相乗りも増えたりしているので、アメリカ人消費者は、政府の無策を個人の知恵で補うように一生懸命に努力している。

スコアカードは、金銭的なメリット、デメリットとして、消費者の懐とはっきり連動をしない内は、政府の諸施策は実効性の少ないかけ声としか考えられない。財布のひもを握る消費者は必死だ。その辺りのセンスを導入した政策が欲しいところ。

2 comments:

ハマ公 said...

敬ちゃん

お久しぶり。米国人は禁酒法を制定した位だから、石油の節約も相当なスピードでやりませんか、それとも産業や家庭の燃料消費構造がそう成って無いかね?

Kei Izawa 井沢 敬 said...

公ちゃん

その通りでしょう。アメリカは8年間も石油資本と関係が強いブッシューやチェーイニーがいたために、代替エネルギーが促進されていなかったものが、現在では政府主導でなくとも、民間のウォールマートを中心とした凄い動きが出ています。ボールダーの街については、今月号のソトコトでも詳しく書きましたが、電力ガス会社も市と一体になりイニシアチブをとり始めており、大統領さえ変われば、アメリカは急激にエネルギーの点で変わるでしょう。

今日のブログはフォードについて書いて見ようと思いますが、そこに大きな変化の兆しを感じます。また、コメントを下さい。貴兄も相当な面で詳しい人ですから、、