Wednesday, July 16, 2008

肥満とダイエット(広告編)

アメリカの肥満の原因について、もう少し調べてみると、無視できないのは、広告産業の存在だ。広告業界で見ると、当然のことだが、あまり栄養価もないモノを、あたかもこれがないと生きていけないような錯覚の陥れるような、インパクトの強い広告がある。何千と生み出される新商品の中で目立とうとすれば当然のことだが、売り込みに関する広告業界の熱心さには圧倒されると言って良かろう。

イギリスでは、既にジャンクフード(ファーストフード屋駄菓子類のことか)を子供のテレビ視聴時間中に規制する法律が通っており、イギリス圏のカナダ、オーストラリア、ニュージランドでも、肥満と広告の相関関係についてはウェブでも多く語られている。しかし、アメリカになると、タバコ業界については、禁煙運動のためにあれだけ必死に動いた活動家も、ことジャンクフードに関しては、いくつかの訴訟があったりしているが、まだ大きな社会問題にはなっていない。なっていないと云うのは言い過ぎかも知れないが、禁煙家にとって他人が吸うタバコは不愉快だが、回りにいる他人が食べ過ぎても、それはその人の問題だけと云う気持ちも強いのだろうか。いくつかの財団などでは、この問題を真剣に取り上げているものの、まだ、ムーブメントと云うほどには至っていない。YouTubeなどでAdvertising, Foodでキーワードを入れても、きちんとしたものは欧州系のYouTubeから来ているものが多い。

広告で問題なのは、ジャンクフードの広告は多くされているが、健食を勧める公的広告が極めて少ない点だろう。そのバランスの無さが、消費者運動よりも、健康保険の仕組みが破綻しているアメリカ政府の主導で動かざるを得なくなってきていることが皮肉だ。ことに今年の大統領選挙の際、民主党の党代表選出に際して、ヒラリー・クリントンとオサマ・バラックが大きく対決した問題でもあった。「食」があまりにも基本的に悪いので、アメリカ人が不健康になっていることが大きな問題だ。

学校と云う教育場においても、何カ所にもこれまでコカコーラなどの飲料メーカーなどの自動販売機や菓子類の販売機が置かれていた。先端的な街では、徐々にそのような風習が取り除かれるようになってきている。しかし、まだ、アメリカの多くの学校では、教育財源の欠如から、販売機を置かせてあげる代わりに、スポーツプログラムへの補助金などをもらっている学校もあり、意識変革がなされるにはより大きな推進力が必要なも事実だ。

日本の学校施設においてそのような補助金的な動き、あるいはメーカーからのキックバックは無いだろうと思うが、子供の頃は外で歩きながら、何かを食べてはいけない習慣がいつの間にか消失してしまい、ながら族のスナック喰いは蔓延している気がする。日本の消費者が、駄菓子屋ファーストフードの広告規制を求めるようになるとも思えない。果物などの健食的なスナックなどが少ない日本で、今後の子供たち、大人も一緒だが、どうなるのだろうかと不安に駆られる今日この頃だ。

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