
ニューヨークの街は、2年前だったか、レストランや食べ物に含まれていたトランスファット脂肪酸の使用を制限すると云う強い姿勢に出た。レストランなどは、便利でコストが安かったトランスファットを使えなくなったことから、調理の仕方を変更せざるを得なく、食感を守るのに多くの工夫が求められるような状況だった。でも、ニューヨーク市側は、市民の健康を考え、大きな税収減でもあるレストラン業界の反対を押し切って実行することにした。日本の状況は、ネットで調べている限り、3%以下です、とか言いながらまだ売れ続けられているのはどうかと思うが、ニューヨーク市では、既に次のステップをとり始めている記事をMSNBCが取り上げているので、紹介することにしよう。

ビッグアップルとの愛称で親しまれているニューヨーク市は、今年の4月からチェーン・レストランの各食品の値札に、値段のフォントと同じ大きさでカロリー量表示を義務づけたと云うのだ。チェーン・レストランはまだ、いくつかな法的救済策を求めているようだが、市は今週の金曜日から、表示をしていないところに2000ドルの罰金を科すことを実行する手はずだ。強硬な処置だと思うが、ニューヨーク市に置ける肥満の悪化や、それに伴う多くの生活習慣病の発生で、低所得者の医療費の問題でも市は、頭を悩ませてきたことからのこのような手段にとって出たのだと思う。東京では考えられないことかも知れないが、実際に、国民のメタボリックシンドロームの心配で、政府が音頭をとり、人々のウェーストを計り始めている記事は全米でも大きな話題になったことを知っている日本人も少なかろう。各国や各市の悩みは、違った対策で出てくるにしても、健康が大きな主眼になっていることだ。
写真を見ていただければ、判ることだが、チェーン・レストランで挙げられているスターバックスのケーキ類のカロリー数はものすごいものがある。ダンキンドーナツのチョコレート・チップ・マフィンは630カロリーだと言う。スターバックスのラスベリースコーンは470カロリー、クッキーでも610カロリーのものがあると言うのだ。有名チェーン店のT.G.I. Friday’sのメニューを見ていると、1000カロリーより少ないメニューを探すのに苦労したのだそうだ。しかも前菜とかデザートでさえ1000カロリー以上のものだった模様だ。
ニューヨーク市が、このように先鋭的な施策をとろうとしているのは、政策目標としてobese(超肥満)の人の数を15万人に減らすこと、そうして糖尿の発生を3万人抑制しようとするものらしい。この、カロリーをメニューに掲出する施策を打って出ようとしている市は、ニューヨークに限らず、シアトル市、あるいはカリフォルニア州のサンタクララ市、サンフランシスコも今年の後半に実行される模様だ。他の市は、ニューヨークのものよりさらに厳しいものを検討しているともいわれ、レストラン側が、塩分、炭水化物、脂肪、コレステロールなども掲出することを検討しているという。
このようなカロリー表示が無かった段階では、ローカロリーを目指して、チョイスをしていたと思っていた人をびっくりさせているようだ。T.G.I. Friday’sのピーカンで衣揚げしたチキン、マンダリンオレンジ、ドライクランベリー、セロリーのサラダが1360カロリーだそうだ。レストラン業界としても、グルメ志向のみならず、このカロリーも考慮して新規メニュー作りに励まなくなるというものだろう。

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