Wednesday, July 05, 2006

ホットドッグの市場に見るロハスな展開

ニューヨークで4日、米独立記念日恒例のホットドッグ早食い競争が行われ、小林尊さんが12分間で53個と4分の3を食べ、自身が持つ世界記録を更新、6連覇を果たしたとのニュースは、全米でも三大ネットワークで報道され、身体の小さい小林さんの訓練ぶりなどが、事前に報道番組などで紹介されいた。小林さんは、アメリカでは緻密な訓練と戦略で、小型の身体ながら体格が数倍大きい人を負かすヒーローにもなっている。

この凄まじいほどの早食い競争ではあるが、裏を返せば、売り上げが今イチぱっとしないホットドッグの宣伝をしようとする目論見なども見えてくる。アメリカの有名な食事と云えば、ハンバーガーやホットドッグ、最近ではエスニックのブリートなどとすべてファーストフードをベースにしたものが主流だった。ピザやドーナツもすべて手でつかむ食事としてヨーロッパ人の好むところではないが、そこはインフォーマルなアメリカ人の好みとして、パーティー食には欠かせないものであった。どれをとっても不健康なものばかり。これでは健康の精神に反すると云うことで、食べることを控える人が出たとしてもおかしくない。

そのホットドッグの消費がアメリカでは段々少なくなってきていると云う。アメリカ人が、ホットドッグそのものを嫌っているのではなく、健康的でないイメージが強くなってきたのだろう。アメリカ人は年間に約2300億円相当のホットドッグを消費していると言う。野球の観戦には欠かせないホットドッグは、野球場だけで年間で約3000万本売れるのだそうだ。しかし、傾向から見ると、ホットドッグの消費は少しずつ下がっていると見える。出荷ベースで見るとこの4年間で6%も下がってきたようだ。

ホットドッグの消費すべて下がっているのではない。オーガニックのホットドッグの売り上げは増えてきていると云う。オーガニックはこれまでも売られていたのだが、オーガニックやナチュラルであるが故に、食感の違い、保存料やカラリングをつかっていないこともあり、食べ慣れたドッグを彷彿させず、敬遠されいたのが、最近になってコンベンショナルな食感に近いものができてきたために、小売り値段が20%近く高くとも売れ始めていると云う。同じ牛肉を使うのでも、穀物を飼料としたものよりも牧草だけを食べている牛を使うことで、より健康的な牛肉が可能になったらしい。牧草だけだと、オメガ3などの良い成分が増える一方で、脂肪分が少なくなり、確かにより健康的なイメージがする。そうして味付けが、コンベンショナルものに近づいてくると、需要が高まってくるらしい。

オーガニックのホットドッグはまだ市場は小さいが、市場の成長はとても早いようだ。肉の保存料に使っていたいろいろな化学的なものに代って、セロリージュースや乳酸を使ったことが、味覚のコンベンショナル化に近づけたらしい。オーガニックがいろいろな形式で市場参入をする土壌が段々とできてきたらしい。小林さんの、早食い競争ではいつ頃からオーガニックのドッグが出されるのだろうか。今から楽しみにしている。

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