
つい先日ニューヨーク市の衛生当局は、同市における25000軒のレストランに対してトランス脂肪酸の利用を無くすように指示した。ニューヨークが動いたとなると、全米の先例になるだけに他の大都市などは戦々恐々だ。アメリカでは、連邦で動くより、市のレベルで、禁煙条例の発令や、シートベルトの装着義務などが始まっている訳であり、トランス脂肪酸などもこの事例で、かなり速い段階で全米ベースに広まると見られている。
トランス脂肪酸は、天然のものではない。人間が約100年前に油を固形化するために植物油に水素を添加して作ったものなので、人工的なものなのだ。最初に商品化したのはCrisco社で、1911年に商品開発されたもの。

そもそもトランス脂肪酸が普及をしたのは安かったかららしい。1970, 80年代に飽和脂肪が、循環器系に毒だと判った段階で、レストランやメーカーは飽和脂肪を捨て、トランス脂肪酸へと移行した。全米レストラン業界は今回の措置に真っ向から反対しているのは、まさに、トランス脂肪酸の使用があまりにも普及しているからだろうと見られている。

この規制の進む方向はとてつもなく大きな出来事だ。アメリカのファーストフード産業に与える影響は甚大だ。タバコ産業が禁煙運動で受けた影響とは比べ物にならないかも知れない。アメリカの食料油の生産・供給体制がどのようになるのか、供給が足りない現象が起こらないのか、コストの引き上げなどでファーストフード自体にどのように影響を与えるのか、多くの事象が不確定な状況と云える。でも、アメリカの肥満や糖尿病などのインパクトも待ってくれていないので、アメリカの食料事情が大きく変わるきっかけがニューヨークのトランス脂肪酸規制で始まったと云える。
No comments:
Post a Comment