Sunday, October 22, 2006

肥満抑止運動に動き始めたディズニー




世界保険機構(WHO)が最近発表した統計によると世界で栄養失調になっている人は60億人のうちの約8億人にも及ぶという。しかし、もっと驚くのは、反対の肥満の人の数が、栄養失調の人々の数字を凌駕して10億人以上になると云う。まさに世界人口の6人の内の一人が肥満ということになる。アメリカの数字は、その中でも突出していることは述べるまでもない。

そんな中で、エンターテインメントの大手であるディズニーがテーマパークで販売する食品の健康的な度合いを増やすことを発表している。トランスファット脂肪を使った食品をテーマパークで販売中止をするというものだ。しかも、徐々にキャラクター使用権についても不健康な子供食品については廃止をしていく旨発表している。



アメリカ人口の肥満の状況があまりにも危機的な状況になっているので、ディズニーの動きは注目に値する。もちろんディズニーだけなら、全体へ与える影響は限られているが、ディズニーが動いていくことで、サプライヤーもこの事態を無視できない状況が強くなることが予想される。ディズニー社は、現在の動きについては、段階的な導入を望んでいる訳だが、もっとも厳しいのはディズニーチャネルなどを運営していく中で既存の広告主の商品をすべて無視していくことは難しく、健康食の導入は徐々に展開されなければならない。経済的に成り立ってはじめて企業としても動かざるを得ない状況となろう。現にこの発表後、ディズニーの株価は下降した。市場は、そんなに簡単なことだとは考えてくれていない証拠だ。

しかい、ロハスは少しずつ動き始めている。ウォールマートが有機のビジネスを展開したり、ディズニーが健康食を推進し始めていることに対して懐疑的な人もいよう。しかし、今後は、このような視点を持った企業が増え始めると、英語で言うところのティッピング・ポイント、つまり潮が逆流をするときが近づいていることが出ていると言えよう。少なくとも健康派が主流になっていく時期が近づいていることを示している。

どちらかというと、健全な食事をはじめてきていたのは、知的層であったと言える。これまでは自分たちの問題だけを考えておけば良かったのだが、肥満は、健康保険料率にも影響を及び始めさせ、全体に対しても無視できない状況になったことを示している。まさに環境と同じだ。自分だけ良ければという発想は成り立たなくなってくるだろう。市場に悪者ととらえられるか、時代を先取りした会社としてみられるか、今後も多くの企業が悩んで上に、転換を初めていくだろう。会社だけの利益を追求する時代は終わってきている。そんなことをボールダーで考えてみた。

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