Sunday, November 19, 2006

食品の「ワル」、ロハス運動への抵抗

どこの文化にも、小悪魔的なものを好むところがある。アメリカでは、文法的には間違っているが、「bad」「badder」「baddest」などと「ワル」の比較級から最上級を現す表現が一般化してきた。クルマで言えば、プリウスが良い子ならば、燃費が極端に悪いHammerなどのクルマはbaddestの分類に入るだろう。Worstと云うと、小悪魔的な意味合いが薄れるので、baddestがピッタリなのだろうか?

食事にしてもそうだろう。身体に良いものだけを食べるべきなのだが、身体に悪いものの中に美味いものが多くあったりあったりするから、たまには羽目を外して食べたいのが人間の性だろう。クリームコロッケ、トンカツ、チーズなどのように、私も好きな食べものを制限しないといけないことも多い。一昨日に書いたアメリカの外食の事例などで見ていくと、アメリカ人はハンバーガーが一番食べたいようだ。もちろん、アメリカの食文化は、メキシコ料理の影響や寿司その他のものがどんどんと入ってきているので、10年後には変わってくるだろうが、今のところ外食の王様はハンバーグなのだろう。

最近では、マックドナルドなどのファーストフードチェーンでは、サラダを出したり、トランス脂肪の使用を止めたり、その検討をしたりしていると書いた。しかし、市場の反応はどうかと云うと、引き続き、外食するときくらいは、コレステロール、ソディウムなども気にしない傾向が強いのだろう。そのようなヒトのマインドを読み込んで、逆に健康にきわめて悪いものをメニューに入れて発売をしているところがある。それが大当たりと云うから、困ったものだ。

ファーストフードチェーンのハーディーズ(Hardee's)がその例だ。ハーディーズが出したメニューは徹底的にバッドなのだ。つまりbaddestを追求することで、市場に大いに名を売っていることになる。そうして事業的にも成功をしているからアメリカ人のbadな食生活を変えるのは至難の業だと云うことはよく判るだろう。

このハンバーガーの名前はMonster Thick Burger(モンスター)と自ら極悪の名前を冠している。発売開始をしたのが2年前だが、順調に伸びてきているようだ。この商品は驚くことに一個だけで1410カロリー、そうして脂肪だけで107グラムだと云う。セットでミディアムのフレンチフライを入れると520カロリー、ソーダーは約400カロリーと云うから凄い。コレステロールだけでも229ミリグラムだと云う。こんなものをいつも食べていたら肥満になるのは当たり前だ。会社としては、個人の選択がそれを求めているとしてうそぶいているからひどいものだ。ちなみに、このHardee'sはコロラドにもボールダーにもないファーストフードのチェーンだ。来てもすぐに廃業になるだろう。

ボールダーなどもハンバーガーは売られている。ボールダー発のチェーンでGood Timesと云うところがあるが、ここのバーガーにも悪いものがあるが、ハーディーズには到底及ばない。ここのビッグ・ダディー・ベーコンチーズバーガーは960カロリーであるが、脂肪は33グラムでモンスターの三分の一だけだ。しかもビーフはColeman のナチュラルビーフだ。パールストリートから少し入ったところにあるが、一度訪ねてみる価値はあろう。もちろん、カロリーや脂肪を減らす意味でベーコンやチーズはないメニューにすることをお奨めする。

Good Times of Boulder

アメリカに来てハンバーガーを食べるのなら、badderからbaddestにいかずに、少しでもgooder, goodestのところに行くべきだろう。そんなときに役に立つのは、アメリカのフランチャイズの大手のカロリーデーターがある下記サイトを訪れ、少しでも情報武装をするべきだ。
脂肪カロリーなどのデーターバンク

ハイブリッド技術は、究極の技術ではないが、現状の最悪の状況から脱出するために経過的な技術と言えるだろう。ハンバーガーについても、モンスターに行くのではなく、努力をしてGood Timesへ行くことによって、少しでも状況を改善していくべきなのかもしれない。人間は一朝一夕に変わらない。意識を高め、行く方向の選択が大事なのだ。Good Timesのボールダー所在地

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