
アメリカを震源とする世界の景気後退が、深刻化しており、1929年世界恐慌以来最悪の不況になるだろうとの見通しだ。各国の蔵相などが緊急対策をとっているが、各国政府の財政金融支援にも関わらず不安定な状況が続いている。このような不況状況になると懸念されるのは、地球温暖化対策やポスト京都議定書やグリーンに関わる施策が、景気対策や財政金融支援など取って代わられ、プライオリティを下げられるだろうと云う思惑だ。現在は、景気後退のおりでもあり、石油価格などもバーレル当り150ドルの高騰から70ドルを割るような状況でもあり、再生可能なエネルギーへの関心も薄まっていく観もある。一時ガロンあたり4ドル台に高騰したアメリカの自動車用のガソリン価格は、3ドルを割り込んでおり、省エネしようとする勢いも下がっているとの観測にもつながる。石油資源が枯渇するのではないかと云うパニックの状況でパーレル当りの価格は200ドルに到達するかもしれないという悲観的な観測から、今では70ドルを割っているだけでなく、下手をすると60ドルも割ってしまうかもしれないほどの急落ぶりだ。それが何と半年という期間の間に起こった事実なので、市場の乱高下の現実はきびしい。現状では恐れられていた、資源の問題は吹き飛んでしまったかのようだ。
果たしてどうなのだろうか?グリーンな政策も後退してしまうのだろうか?気になるところだ。だが、このような時期だからこそ、世界の経済を根幹から見直す必要もあるのではないかと思う。景気後退や不況と云う言葉が出てくる以上、その根本的な対策を真剣に考えるべきときが来たと言えまいか?

2008年の大不況に直面して、イギリスやアメリカの学者の中にグリーン・ニューディール政策を推奨する人が多く出始めている。このグリーン・ニューディール政策は、金曜市場の不安、長期的な石油市場の問題解決、そうして食糧をも含む環境問題の解決と云う三大問題を同時に解決しようとしている学者たちの提言なのだ。今年の半ばから、気象条件などが取り返しのつかない状況になるのに後100ヶ月しかないと云う危機意識が芽生えている。この、時限的な危機意識から人々が立ち上がり始めているのだ。特に政治家たちが、大局を見ることをせずに、個別の問題にしか目が行かないところに不満を抱き動き始めている内容のものなのだ。彼らの提言が含まれている内容は下記の通りだ:
1、再生可能なエネルギーやより広範なグリーン産業への産業構造転換のための巨大投資を行なう
2、上記によって、グリーンな雇用創出(グリーンカラー)を求める
3、金融セクターの管理を高める一方で、グリーン雇用につながる資金フローを高めようとすること
4、金融バブルの状況から、その国家的指導のエネルギーを産業、環境、農業、労働組合などを結束するような方向性に転換をすること
これまでバラバラだった、問題の対応を、より包括的な目で次世代にニーズに合った形で転換しようとする環境運動派や学者たちの提言と見て良い。ルーズベルト大統領のニューディール策も、単に雇用創出としてだけでなく発電・エネルギーや農業用灌漑などの基幹産業を大公共事業を通じて展開したものであり、アメリカの経済再興を可能にしたことが知られている。
