オーガニックワインは、世界ではまだ主流になっていないが、その販売は徐々に伸びてきている。これまでのオガーニックワインが大幅に成長していなかったのは、技術や伝統のある主流ワイナリーが、どちらかと云うとまだまだ不安定な要素を含んでいるオーガニック葡萄などにどこまで依存し始めて良いのか、決めきれなかったからだと思う。しかも、ワイン愛好家にしても上級ワインでオーガニックの良いものが少ないと云うこともあり、市場全体でのインパクトも比例して少なかったと云える。
しかし、最近では、オーガニック葡萄を使い始めるワイナリーが徐々に増えるに従い、上級志向のものも増え始めているので、勢いが勢いを生んでいる好現象だ。オーガニックワインの定義自体もまだ確定をしているとことには行っていないが、市場が確実に大きくなるに従い、業界内ので調整も進んでくることになろう。
オーガニック葡萄を使うと云う点で素晴らしいことは、土壌を保護して行くと云うことで、葡萄畑の品質の向上はもとより、環境にもすばらしい影響を与えることになろう。しかし除草剤を使えないと云うことになると、人件費やコストが高くつくことになるので、オーガニック葡萄栽培業者にとっては頭痛の種だったであろう。しかも、選挙に向けて不法移民の取り締まりを強化しているアメリカでは、手間ひまのかかる作業は、不法移民のしてきた作業であるために、人手不足になりかなり危機的な状況になっていることだろう。
ロサンゼレスタイムズ紙のJerry Hirsch記者がリポートをするところでは Santa Rita Hills葡萄園農場では、雑草の処理を60センチくらいにしか成長しないBabydolls種の羊に除草作業をさせ始めていると云う。これらの羊は、除草をしてくれるだけでなく、その際に土壌に自然肥料をリサイクルしてくれることになる。コヨーテが羊を何匹かころした事例があるので、現在はコリー犬が羊の保護をしているのだそうだ。Santa Rita Hillsの農園主のPepeさんは、いずれは羊のミルクからできるチーズなども作りたいと云っていると云う。このように循環型の農業ができることは、農薬や殺虫剤を使う必要もなくなるので、地球環境に良いことは言うまでもない。
ボールダーでは、ワインの醸造をする会社はあるが、皆試してみたが、味はまだもう一つと云ったところ。もっとはやく良いワインがコロラドでもできるようになればと思っている。コロラドのワインは成長中だが、ボールダーには結構すごい会社がある。その名をOrganic Vintnersといって、元ハーブティーのセレッシャルシーズニング社や酪農のオーガニックデアリーの社長を経験したBarnet Feinblumさんが世界中のオーガニックワインを取り扱っており、ここをベースにして、欧州、南ア、南米、オーストラリア、アメリカ産などのオーガニックワインの流通の元締めをしており、自社ブランドでもオーガニックワインを持っている。ここのワインには、とても美味しいものが手頃な値段で手に入るようになっている。Barnet Feinblumさんは、彼が世界中から集めたオーガニックワインを日本などにも紹介したいと考えている。アメリカのオーガニックワイン市場が急成長をしているので、日本も早めにその勢いの中に入っておくと良いと感じたりしている。
オーガニック・ビントナーズ(Organic Vintners)
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