Friday, September 15, 2006

果敢な省エネ政策をとるカリフォルニア



今日はNew York Times紙のFelicity Barrineger記者のカリフォルニア省エネリポートをご紹介しよう。カリフォルニアのことなのに、ニューヨークタイムズ紙が力を入れて、紹介していることに注目してみたい。アメリカの各州のエネルギ動向などのチャートもふんだんにあるので、関心のある方は是非参考にしていただきたい。

アメリカは合衆国であり連邦政府を持っているのに対して、最大州とはいえ、カリフォルニアは非常に環境に前向きな姿勢を見せてきた州である。しかも、カリフォルニア州だけの成果に止まらず、全米あるいは、世界にもインパクトを与えるような施策をとってきた。その一つの例が、70年代に自動車の排ガス規制を強化させるきっかけとなった触媒などの導入などがあげられる。

カリフォルニアがこのように地球温暖化阻止に力を入れているのには訳がある。もちろん、加州を一つの国だと想定すると、二酸化炭素排出にレベルでは、世界で12位の国なってしまうことだ。しかも、現在の加州の二酸化炭素の排出量だけで見ても全世界の2.5%も排出していることになる。地球の温暖化の直接の被害も受けている。つまり、今年の夏のヒートウェーブで140人もの人がヒートで死んだと云う。この傾向がどんどん増えていけば、2100年には今の5倍以上の人が死ぬだろうとの予測もある。

カリフォルニアは多方面で、省エネ関係の施策をとり始めている。今までは、洗濯機、冷蔵庫、クーラーなどの家庭電化製品の省エネを指導してきたが、最近で細かいところでは、コンピューターや携帯電話の充電器、ひいてやテレビなどのリモートなどについても節電対策を求め始めている。しかも、この記事の冒頭にでているのは、確かに一人当たりでの電力消費は30年間ほぼ同じ水準と言う立派な実行力を見せているのにも関わらず、人口増大のために電力需要増加があるのも事実であるが、安易に電力会社が脅かしをかけても電力を簡単に購入するつもりがないことを表明している。もちろん、このことによりビジネス業界の中には、カリフォルニアの公共料金が引き上がるだろうとの予測を建て、それが他州からの企業直接投資に悪い影響を及ぼすだろうと脅かしをかけている。

カリフォルニアは2012年からはすべての新築の家はソーラーパネル発電を法制化するなど、着実に地球温暖化を抑制する方向性を打ち出している。一部の学者などは、この省エネ対策を押し広めることよって、代替エネルギ関連のコストは引き下がり、新たな産業が生まれてくるだろうと見ているようだ。こうなってくると、カリフォルニアでの実験が全米へ着実に伝播をしていくことになろう。もはや連邦政府の新たな政策を待つことなく、カリフォルニアのリーダーシップで、アメリカの省エネ活動は広まっていくことだろう。

この記事ではModestoのトヨタ社のディーラーの話が紹介されている。昨年は毎月260台くらいのクルマを販売していたようだが、今年は月販400台に上がっていると云う。しかも、下取りに持ってこられるクルマは、この記事の場合はフォードのSUVだったりすると云う。下取りに出されたフォード車はかなりの値引きをしても中古車でさばけなくなっていると云う。カリフォルニアは、全米でのプリウスの販売の4分の1を占めているとのことであり、省エネについては先端的なカリフォルニア州に大いに注目をしていきたい。

コロラド州の知事選挙は今年の11月に行なわれるが、民主党候補は省エネの施策を打ち出している。ボールダー市が小型車促進の市政策を打ち出そうとしているところでもあり、この辺りのことを引き続き探っていくことにしよう。ロハスのライフスタイルは、物質的なものの考え方を促してくれる。地球環境を守りながら生活するための、要件とは何なのか、最近の議論は大いに考えさせられるものがある。

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