Tuesday, August 29, 2006

肥満傾向続くアメリカ



アメリカにはTrust for America's Healthと云う団体があり、毎年全米各州の健康の指標をまとめて発表をしている。公共の健康プログラム屁の資金投入を増やそうとしている団体であり、肥満の傾向については手厳しいリポートをまとめている。今月発表になった数字によると31州において肥満度は前年に比べて高まっていると云う。現在超肥満(obese)の人の数は、アメリカ総人口の内、大人が32%、子供が17%にも達していると云う。最悪のミシシッピ州は、超肥満が大人子供平均で29.5%に達している。肥満の基準はアメリカの基準で云う訳だから、日本基準を使ったのならこの数字は40%を超えてしまうことだろう。



ボールダーのあるコロラド州は、肥満係数がアメリカ50州の中では最低の州だ。それでも超肥満の比率は16%を超えている。しかし、スポーツや豆腐のメッカのボールダーに至っては、多分コロラド州の中でも突出して肥満係数が低い地域になっているはずだ。当地に住んでいると気づかないのだが、いざボールダーを離れると、同じコロラドでもアメリカの肥満人口が高いのには驚かされるからだ。

肥満度係数で見ていくと、単に体重が高いと云うだけでなく、その裏に隠された多くの社会問題も発見されてくる。もちろん、教育や社会的地位によって、格差が広がっているのだ。所得が低いことと、教育も低いこととの関連性も出ており、社会的弱者の黒人やネイティブアメリカン、最近ではヒスパニックなどのマイノリティーが肥満が多いと云える。しかも、肥満が多いと云うことは、成人病などの問題比率も高かったり、個人の尊厳と云う意味でも、社会から取り残されていく人も増えていくのだろう。

市町村レベルにおける格差も出てくるなど、ロハス的な生活の発想も、ホールフーズでの買い物などができるのもある程度の社会的な地位や、経済力がないと健康的な生活ができないと云う問題もあろう。豊かなアメリカが、このように社会階層ギャップが高まっていくことは憂慮するべきことだろう。低価格品など中心のウォールマートがオーガニック戦略を展開し始めているのは、素晴らしいことだが、それだけでは済まない感じがする。人々の意識を高めるのには、環境問題のときも然りだが、教育の果たす役割が大きい。その点で、教育でも取り残されていく人々がいるのが、この肥満の進行を食い止める最大のネックになるだろう。

日本でも、徐々にではあるが、肥満の傾向が出てきているようだ。イワシや玄米の生活ではなくなってきているので、食生活の欧米化に伴い、老いも若きも行って欲しくない方向へ行っている感じがする。身体の健康についての意識は、戦後の国際化と、豊かさの到来、そうして核家族化による3世代家族などの激減で、旧世代の知恵が伝わらなくなってきている。少子化による、子供の甘やかしなども、食生活にネガティブなインパクトを与えかねない。ボールダーのロハスを見習うところが多くありそうだ。

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