Friday, August 18, 2006

小型車モデル都市を狙うボールダー

現在ボールダーの街のニュースと云えば、ジョン・ベネ殺人容疑者の逮捕だろう。逮捕されたものの、立件できるのかどうか、まだ紆余曲折が予想されるので、このブログでは取り上げない。姉妹編では、ボールダーの視点から報告することがあればするようにしたい。

さて、17日のボールダーの日刊紙Daily CameraのAnna Uhls記者のリポートによると、ボールダーの街は、環境と交通の担当者を交え、”スモールカー委員会”(Small Car Committee)なるものの初会合が開かれたと云う。この委員会は、ボールダーの街がクルマのネガティブな影響を削減し、小型で燃費効率が良いクルマの所有利用を促進するための全米でのモデルケースになるように、市政を運営する上で何ができるのか検討するために集まったらしい。民主党選出のJack Pommerコロラド州下院議員は「全米レベルでの改善は見込めないから、少なくとも、地方自治体レベルで行動を起こすときだ」と引用されている。つまり、連邦政府レベルでは、燃費規制なども取り上げられないので、処理ができる近場から始めようと云うことらしい。

Shaun McGrath市議会議員は、年末までに、市として市民が徐々に小型車や燃費効率の良いクルマにどのように転換できるようにするのか委員会としても提案書をまとめたいという。小型車が増えると云うことは、環境、交通量、駐車場などの側面からも市にとってプラスだという。オレゴン州のように、ガソリン消費が減少をすれば、ガソリン税の歳入減少に悩むのではなく、ボールダー市は前向きに環境を考えて動いていることは嬉しい。当然、クルマのディーラーなどは影響を受けるだろうし、ガソリンスタンドなどの経営にも影響が出るだろうが、それを押しての市の動きは大いに歓迎するべきだろう。Mark Ruzzin市長も大いに後押しをしている状況だ。

トヨタのプリウスやホンダのシビックハイブリッドなどはボールダーでは既に多く走っているところであり、今後市政がどのような方策を出してくるのか楽しみなところであり、さらにハイブリッド系の比率が高まる異様な街になるかも知れない。ボールダー万歳と云うところだ。

この会合にはメルセデスのスマートで乗り付けた人がいる。そのヒトはSanford Greenberg氏でFirst Class Importsと云うディーラーのオーナーだ。日本車だけには譲れないと云う気持ちもあろう。

このような、街主導のクルマ所有についての政策が出てくるとなると、市民の反応はどうだろうか?大型車のRV(SUV)をすでに所有している人は、下取りに出しても、地元では買い手がつかない現象が出てきてしまう。下取り価格がすでに下がっている中で、今回の方向でさらに、市場に大型車を放出したら、値崩れは間違いない。かなりの経済的な損失だろう。このように経済的な損失を想定できる中での、市場変革はかなり勇気がいることだ。和を尊ぶと云う日本ではなかなかできないことかも知れない。

この委員会の次の会合は9月13日だという。そこで委員会の名称をしっかりと決めるらしい。成功をしてもらいたい案件だが、この問題を上手に処理しないと、一部市民の反感を買うことも出てくるだろう。できる限り本件については、引き続きリポートをしたい。

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