Friday, July 18, 2008

タクシーのグリン化


ボールダーを訪れる日本人はほとんどの場合びっくりするのは、路上で流しをしているタクシーをほとんど見かけないことである。実質的にタクシーを見るのは限定されたダウンタウンの一部ホテルの前だけだ。それだけ、ボールダーではタクシーを見かけない。街については、バスの路線がしっかりとしており、回数は少ないが、一応は町中をカバーしている。

コロラドへの玄関となるデンバーの空港からボールダーに来るのにも、バスやシャトルバスを利用する人が多い。シャトルバスの場合は、ボールダー市への入り口近くにあるブローカーインホテルに横付けされてから、ミニバンに乗り換えて各家庭やオフィスまで送ってもらえるので、とても便利だ。

ボールダーはタクシーが極めて少ないが、ニューヨークのイメージはタクシーが多いというものだろう。地下鉄は完備されているのに、ニューヨークッ子はタクシーがとても好きなようだ。ニューヨークのタクシーに乗って驚くのは、ドライバーが白人の場合は、殆どが東欧の人であり、後は国籍不明な人々が寄り集まっている職業のようだが、彼らとて現在のエネルギー高騰には悩まされていることだろう。

AP通信が伝えるところによると、ニューヨークのイエローキャッブとの愛称で呼ばれるタクシーの世界でもグリーン化をしなければいけないという気運がとても強くなってきている。その一例として、自動車メーカーがハイブリッドの配分を市のタクシーのために確保してくれることを約束したことにも良く窺える。

アメリカの自動車市場では、最近小型車の売り上げが急増して、RV車や大型車の販売が急減しているようだ。そのために、タクシー会社がハイブリッド車を求めても、配分するだけの余裕も少ないだろう。しかし、ニューヨーク市長のブルームベルグ市長の働きかけのせいか、自動車メーカー3社がニューヨーク仕向けのハイブリッド割当に優先的に行なうことを約束したようだ。これは、ディーラーの方からすれば、売れ筋のものを、タクシーに配分割り当てると云うことで不満も多く出て来ようが、そこは、ニューヨーク市の力なのだろうか、GM, Ford, Nissanの3社が供給確保を申し出ている。ニューヨーク市には現在既に1300台のハイブリッド車が走っているとのことだが、2012年までに、全市で営業している13000台のイエローキャブタクシーをハイブリッドにしようという目論見だ。

ニューヨーク市の新営業規制によると、10月1日以降に配車される、タクシーは25MPGを達成せねばらなず、翌年にはその規制目標が30MPGに引き上げられるという。ちなみにMPGはマイル・ペル・ガロン(ガロンあたり走行マイル数)のことだが、アメリカの最大の都会がこのように国の基準を超えて燃費規制を始めているのは大いに注目したい。比較のために言うとすれば、現在は知っている一般的なフォード車のクラウンビクトリア車は燃費が14 MPGなのに対して、ハイブリッド車は36MPGまでになると云う。


日産社が提供しようとしている予定のハイブリッドモデル車はAltimaモデルで、月間200台確約しているそうだ。GMは、シボレーMalibu車、フォードはRVのEscape車を50台ずつ供出することを確約している。市町村や州レベルの公用車などにも燃費規制が求めて来られることが予想されるので、アメリカの燃費の動向は、供給が許す限り大いに変化して行くことになりそうだ。大型車が売れにくい状況が続くと、アメリカの省エネと環境改善が一挙に改善されることにもなりそうだ。「Small is beautiful」への回帰と言えなくもない。

No comments: