Wednesday, June 14, 2006

ロハスはブームで終わるのか?

知人が朝日新聞の切り抜きを、メールしてくれた。それを読んでいると、日本でのロハスの動きは、まるでソトコトの小黒編集長と三井物産が仕組んだ、商売に結びつけたいと云う腹黒い陰謀のようなタッチで記事が書かれている。そのためにロハスの関する商標を獲得し、他の企業の参入妨害を狙っていたような書き方だ。一方囲みコラムではイースクエアーのピーダーセン社長がロハスに関する真っ当な発言をしているようになっている。電通も被害者のように書かれているが果たしてそうであろうか?私には何だかピーダーセン氏と電通が、結託して裏でソトコトと三井物産攻撃をしているように映る。彼らもロハスによる大きな潜在的受益者だし、すでに協力し合って市場調査などを始めたりしている。彼らも主体になりたいのが見えてくる。今後記事を読んだりすると、ピーダーセン氏が現れるときに必ずソトコト攻撃が出てくるパターンはある程度予測できそうだ。ソトコトに連載をしているから全面的に擁護をするつもりもないが、ロハスの動きをそんな低級レベルでかき回す企業があるのは不愉快極まりない。

ロハスはブームとは思っていない。ロハスと云うものは人間の思考行動パターンを整理してくれた大きなコンセプトだと見ている。戦後の日本が進んできた経済復興と繁栄は、極端な話をすると、産業革命以来続いてきた資本主義の論理の上に乗っかったものだった。そこには、多くのものをいかに安く、品質良く、効率良く生産して世界に販売をして、外貨を稼ぎ、日本を豊かにしていくのかが根本だと云うことは誰でも知っている。しかしその経済発展そのものが、多くの弊害をもたらしている事は皆が知っていながら、これが進歩なのだと甘んじていた。その間に土地は不毛化し、人々はこれまでなかった多くの疾病を経験し、ストレスが増し、社会での問題も多く発生するようにもなっている。人々は、生産性・効率性重視のなかで、あらゆる食品添加物、人工甘味料などを供され、喘息、アトピーなどのまん延が社会問題化するようになった。その「繁栄のおまけ」をもたらした資本主義は、軌道修正を余儀なくされたと言えよう。

ロハスのコンセプトは、まさに今までの資本主義思想にクサビを入れた大きなコンセプトだと思っている。80年代後半に社会主義が行き詰まり、21世紀に資本主義が見直しを迫られていると云うことが言えるのではないだろうか。官僚に頼っていた、すべての消費者保護の視点を、縦割りの社会では組み入れられない地球規模的な変革が求められてきたと見ている。インターネットがもたらした変革は、暗黒の中世を大変革の中に陥れた印刷技術に匹敵するように、個人の情報アクセス、共有をもたらしており、もはや政府官僚や天下り役人がやっていた「保護」がいかにひどいものなのか隠しきれないところまで来ていると言えるだろう。医療についても、カネが掛かり(誰かが儲かる)治療ばかりに目を向けていた方針を予防(個人の努力)へ持っていけるだけのインパクトはあったと見ている。

ロハスは、一部の企業が作るブームであってはならない。皆の努力が同じ流れに沿っていく事によって大きなエネルギーに収斂されていく。ポールレイ博士もメキシコ湾暖流の始まりは多くの暖かく、浅い河や支流がメキシコ湾に流れてくることが、きっかけとなり大きなうねりになることを示唆している。クールビズのことを昔は省エネルックで売り込んだ日本の政府。言葉は違うが、省エネでやっていくことはもう止められない。皆でこのコンセプトがブームを超えて新たな社会原則になることを信じている。

3 comments:

Kei Izawa said...

Aussiedog-san

投稿をありがとうございます。朝日新聞の記事を読まさせていただき、考えることを書き並べてみました。商売にすることは止められませんが、ブーム化してしまい、次々に新しいものを探している大手広告代理店のやり口はあまり好きではありません。

そうですね。日本の田舎では、当然多くのロハス的な発想での動きがあったと推察します。それらの貢献などについても、もう少し浮かび上がらせられるように、したいものですね。日本の田舎の良さをより宣伝しましょう。

Kei Izawa said...

Mr. Radames

コメントと説明をありがとうございました。ピーダーセンさんのロハス普及の貢献などを否定をするものではありませんが、私がいくつか読んできたロハスに関する記事で、三井物産とトドプレスを攻撃する記事の中にいつも並行して記事がピーダーセンさんのコメントが掲載されるのに少しいら立ちを持ったのは事実です。特に片側だけが批判をされると云うパターンに何か怪しげなものを感じたのは事実です。記事を書く裏はこちらは見えない訳ですから、類推してしまったとも言えます。

私自身、ピーダーセンさんにお目にかかったこともなく、話もしていないのできついことを書きすぎたのかも知れません。1年以上も前にフランクランペさんを通じてメールを出したりしたのですが、返信を受けずに無視された経緯はあります。

チマチマと云う表現は撤回しましょう。きちんとしたコメントをありがとうございました。ところでRadamesさんはイースクエアーの方ですか?ロハスの定義が何であるにせよ、地球と個人の改善に向かっていくことに大いに頑張りましょう。

Kei Izawa said...

Mr. Radames

ピーダーセンさんに関しては、私なりにいくつかコメントを関係者から聞いておりますが、ポジティブなものもあれば、ネガティブなものもあります。ポジティブなのはもちろんロハスの導入と発展に寄与したことはあげられると思いますが、ネガティブなものは私の心にしまっておきます。

個人的な経験としては申し上げたように、ボールダーのランペさんに紹介をしていただき、きちんと礼を尽くしアプローチをさせていただいたのに、何度か無視をされたことに対する不満があることは否めません。私は、礼を尽くしてメールを出した事例として、ホールフーズのジョンマッキー社長からでさえも、コメントに対してきちんと回答を受けた経験があり、ピーダーセンさんは何故無視するのかと云う点で納得いかなかった経緯もあります。

お互いに足を引っ張り合うところに力が行かないように気をつけましょう。わたしとしても、ソトコトへの批判が、LOHAS10でも出たりしたことなどを聞いていたものですから、ソトコトの貢献を無視して、誰か本気で邪魔をしているなと云う気持ちが強くなっています。折角のロハスを良い方向へ導けるのであれば、お互いに頑張りましょう。環境への目を向けるのに役に立つと云われるMr. Ramadesの意見に大賛成です。