日本ではあまり報道されていないと思うが、最近ニューヨークタイムズ紙とゼネラルモーターズ社(GM)の関係が厳しくなっている。GMのブログなどでも、ニューヨークタイムス紙を強く批判するようになっている。以前は、王者の貫禄で、批判をされても、対応がとてもスマートだったが、ますます落ち込むマーケットシェアの中で、何が何でも反論しようとする余裕のなさが出始めている気がしてならない。
関心のある人は次のブログサイトへ行かれることをお勧めする。
http://www.gm.com/company/onlygm/fastlane_Blog.html
ニューヨークタイムズ紙側としては、GMの泣き言を全く受けつけないばかりか、対GM批判の音量レベルを引き上げている。これだけ、アメリカでの有力紙にネガティブに書かれると、一生懸命に市場活動をしていても、それを是正するためのエネルギーは相当なものだろう。今晩のデーブ・レターマンの番組に招待されたゲストのアール・ゴーア氏もGMの怠慢を突いたりしているので、販売の伸び悩みの中での苦悩は高まるばかりだろう。そう云えば、An Inconvenient Truthの中でもGMの燃費の良いクルマの開発を怠ったことを強く批判する箇所があり、GMは地球温暖化の悪者の一社に指名されていることは事実だ。アメリカ全体で苦境にあるGMへの同情が薄らいでいるのは、このようなことからだと思って差し支えない。
これを裏付けるように、21日付けニューヨークタイムズはデービッド・レオンハート記者は米国製のハイブリッドは連邦議会に助けられていることを批判している。つまり、これまでどんなハイブリッドでも購入した場合、購入者は税額控除を受けられていたものが、売れるのはトヨタや本田のハイブリッドばかりなことに困りきったアメリカメーカーはロビーストを使い、連邦議会に働きかけて、1メーカーが使える売り上げ時の税額控除枠を6万台に押さえ込んでしまったのだと云う。こうなると需要が高い日本メーカーのハイブリッドは、枠を超えるところが出てきて、折角買っても税額控除を受けられない消費者が出てくると云うことだ。アメリカ製のハイブリッドは、宣伝をしても、燃費が凄く良くなるものを持っていないので売れないのだが、日本メーカーのクルマの販売の邪魔をするようなロビーイングをしたとは情けないとしか言いようがない。
面白いのは、Google社が、社員に対して、社員がクルマを購入するときに、ガロンあたり45マイル以上の燃費の良いクルマを買うと、5000ドルの社内報奨金を出していると云う。もちろん、経営的にうまく行っているグーグルのことだと言ってしまえばそれまでだが、民間企業の中でも、このようにトップの意識が高く、ある程度自社内のトレンドに影響を与えようとする姿勢のあるところがあるというのは素晴らしいと云えよう。
そう言えば、An Inconvenient Truthの中で、アメリカの世界に占める人口は5%なのに対して、温室効果ガスの排出レベルは世界の30%を占めていると云うところがあった。ゴーアさんが一生懸命活動をしていることをサポートしてあげて、アメリカが早く、責任のある立場を取れるような、環境を作ってあげたい。消費者は徐々に気がついてきているようだ。プリウスなどは、注文してもすぐに買えない状況が続いている。これが物語っている事実は、今後のアメリカの動きを占う上で、とても勇気づけられるものだ。
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