NY Timesが伝えるところによると、アメリカのヨガ人口はここ数年急増している。Mediamark Research社の調査によると、一週間に最低二日ヨガをトレーニングする人は、2001年の130万人から、2006年には300万人になったとのこと。その期間での成長率は実に133%だ。今年の春の別の調査によると、直近12ヶ月でヨガを一回でもトレーニングしたと云う人は1000万人に及んだと云う。
ヨガがこのようにポピュラーになってくると、それに関連するビジネスも大いに伸びてくることは言うまでもない。ビジネス規模を示す最新の数字は2004年のものだが、ヨガ・ジャーナル誌が行った調査によるとアメリカ人がヨガのクラス、衣類、書籍、マットなどヨガ関連商品、あるいはヨガ・リトリート(瞑想合宿)、やヨガバケーションのために使った総金額は29億5000万ドルにも及んだと推計している。
ヨガのトレーニングを行うにあたって、もともと瞑想にふさわしい、ファッション性もないような服装で始まったが、最近ではヨガのウェア関係も大きなファッションのステートメントになり始めており、コットンのような材質だけでなく、ライクラやマイクロファイバーなどを使ったウェアも出現している。そのようなウェアの動きに中で、ヨガ・ウェアブランドのPrana, Be Present, Inner Waves, やLululemon Athleticaなどに加わり一般スポーツウェアのNikeやFilaブランドも出始めている。
これまで、どちらかと云えばニッチ市場だったヨガが如何に主流に影響を及ぼし始めているかを見ていると、大手アパレルブランドのLiz Claiborne社がPranaブランドを取得したことからも分かる。この買収によって、Pranaブランドは一挙に全米、世界の主要市場で買い求められるブランドに昇格した。カナダのバンクーバー発のLululemon Athletica社も、元Reebok社の社長を招き入れ、積極的に日本やアメリカ市場での拡販に努めている。ファッション性が高まってくると、こういった市場でのヨガブームにさらに火がついてくることになろう。
ヨガのブームはブームだけに終わるのか否か。私はヨガはブームではないと見ている。あるいは、人々の生活においてより深いインパクトを与えるようになるのか注目したい。ヨガの持つ瞑想性や自然、環境、健康、食事などのロハス特性があるので、ブームを超えたものになっている気がしてならない。スローフードと平行して、ライフスタイルのスロー化を求める人間的なニーズが産まれているのではなかろうか。当地ボールダーはまさにこの傾向の最先端を走っているところだ。ヨガだけではなく、その周辺をサポートする業態も着実に成長して定着している。ビッグ・ビジネスが入り込むことについては、ロハス的な観点からすれば、何かわだかまりが残る気もする。でも、ウォールマートがオーガニック分野に進出してきているように、ロハスの進化の過程ととらえるべきではなかろうか。ヨガのブームで考えさせられるものがある。
No comments:
Post a Comment