写真はNASAの作成した地球温暖化の経過と予想を含んだ温度上昇地図だ。米国の航空宇宙政策を司るNASAの資料がこのようなものであるにもかかわらず、ブッシュ政権は、地球温暖化抑制に対しての行動計画は無視に近い状況だと云える。今回11月に行われた議会の中間選挙においても、この温暖化の問題が多く表面化するに至り、反ブッシュ勢力に大きな追い風を与えたことは云うまでもない。
ロサンゼレスタイムズは、連邦政府の無策に対して、地球温暖化阻止に何かでも役に立てようとするアメリカの州や市が立ち上がっている状況を紹介している。特にブッシュ政権が、二酸化炭素などの温室ガス効果抑制を取り決めた京都議定書に、中国やインドが含まれないのなら意味は無いとして調印しなかったことに言及。これを受けた形で、ブッシュ政権の方針に関わらず西海岸シアトルの市長であるNickels市長は、全米の市長に呼びかけてローカルレベルで京都議定書が決めた目標水準を達成しようと動いている。同市長の呼びかけに応じて、全米で330市長の参加誓約を取り付けるまで至った。この市長たちは、今後数年間にわたり、各市における二酸化炭素排出レベルを1990年レベルに戻そうと誓約をしたのである。
私の住んでいるボールダーの参加は云うまでもない。当地のMark Ruzzin市長はより積極的に動いており、全米に先駆けてClimate Taxなるものを先回の中間選挙で住民投票にかけて、通してしまった。これは電力消費がある一定以上行くと課税されると云うもので、そこでの税収は地球温暖化対策や活動のための資金源に使用としているようだ。シアトルは駐車料金税を導入したりした上に、今後は道路交通税を導入し、御誌注がす効果ガスの発生原因として大きな原因となっているクルマの利用を抑制しようとしている。
このような動きは、リベラル的な市だけが行っていないところが今回の特徴。ノースダコタ州のFargo市のWalaker市長はすべての交通信号をエネルギーの消費が通常の電球に比べて80%も低いダイオードのランプに変えたと云う。インディアナ州のCarmel市のBrainard市長は、市の使用するクルマのフリートをすべてハイブリッド乃至はバイオ燃料のクルマに転換しようとしている。
小さい市町村はもちろんのこと、二酸化炭素排出削減を誓約した街には、ロサンゼレス、サンフランシスコ、ニューヨーク、マイアミ、デンバーなどの大都会も含まれていると云う。このような市長たちの意気込みをサポートをするような形で、映画俳優で社会運動家のロバート・レッドフォードなども自分のユタ州Sundanceの牧場に何十人もの市長を招いて地球温暖化などについて話したと云う。市長たちが、政策の比較などができるようなウェブ上でのサイトも作られている。クールな市長たちのネットワーク
国がやらなくとも、自治体レベルでもやっていこうとする。そのような強い運動が市民運動としてできつつある。エネルギーや資源の浪費国アメリカは変わるのか。ロハスの動きは新たなウネリとなりアメリカの政界も動かし始めたようだ。連邦だけではない、市町村の草の根運動から、どこまで発展をするのだろうか。震源地の一つであるボールダーから観察をするのは今から楽しみだ。
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