Saturday, July 22, 2006

オーガニック・スーパーの存在が不動産価値を高める時代

都市の再開発や活性化するにあたり、多くのことが考えられているが、最近では、再開発の成功の要件としてオーガニック・スーパーの存在が重要な要素の一つになってきている。ワシントンポストの22日付けのLyndsey Layton記者のリポートによると、いろいろな開発業者が、専門職についているヤッピー向けの住宅を供給し始めた首都ワシントンのコロンビア・ハイツ地区のことについて書いているが、そこに転入した多くのヤッピーたちがオーガニックス・スーパーの最大手のホールフーズの誘致活動を始めていると云う。その誘致には、メール作戦を展開したり、こうやってワシントンポストを動員したりして動いている訳だ。

アメリカでは良く知られていることだが、ホールフーズの店舗展開の戦略は、単に市場を所得をベースで順位をつけ店舗展開の計画を立てるのではなく、各都市のや地区の学歴水準を大きな基準にしていると言われている。つまり、オーガニックを買う層は、必ずしも裕福だからと云うよりは、学歴が高くて、商品価格がコンベンショナルなものに比較して高くとも買っていくところに目を付けているものと思われる。

レイトン記者が取材をしたコロンビア・ハイツの転入組の反応は、ホールフーズの到来が、この街が再開発途上にあるというイメージから、ある程度、再開発は完成をしたと云うものになると住民は感じていると書いている。ホールフーズとともに誘致されやすいのはコーヒーのスターバックスのようだ。新規アパートを売り込んでいる業者なども、ホールフーズが将来的にここに店を構える予定だと云うことを販売のためのマーケティング資料などで触れ込みにしているらしい。

ワシントンについてはあまり詳しくないが、この地区は1968年に人種暴動があってから、スラム化をしていたらしい。人口構成も1990年には66%が低所得者層の黒人になり、不動産価格が低迷をしていた。そこの再開発が始まって、ホールフーズの誘致に住民が動き始めたと云うことになる。不動産価格が急激に登り始めて、そのために高騰する固定資産税を支払えない貧しい人たちが街から出なければいけない羽目になっていく。アメリカの歪みを感じさせる話だが、一方では、ホールフーズなどの存在が消費者の目からどのように見られているのか、アメリカ社会の一端を垣間見ることにもなる。

私の住んでいるボールダーは、オーガニック・スーパーの比率は高い。そうして全米で二番目に大きいワイルド・オーツと云うオーガニック・スーパーの本拠の街なのだが、現在この街にはホールフーズも大活躍している。ボールダーの地価が高いのも、あるいはこれらのスーパーがあるからなのかも知れない。そうすると、こうしたスーパーのお陰で、私の固定資産までが高く評価されると云うおまけがついているのだろう。時代は、こう云った観点からも着実にロハス化が進んできている。

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