Wednesday, March 05, 2008
循環型農業について
今月は幕張で来週から開催されるFOODEX展に参画するために日本へ戻ってきている。いつも日本へ戻る時は、ロハス的な生活をされている方、お仕事をされている方のところにお邪魔している。アメリカのロハスの温度差などについて自分で目で見てきたいからだ。日本のロハスの進行は独特だ。日本も良い意味では相当変わっているし、アメリカなどの動きとは違った角度でモノゴトが見られるのはさすが神道日本の自然が八百万の神の国の背景があるからであろう。
最近のトレンドで気になっていることは、日本でも一部には同じだが乳酸菌や酵母などについての評価が高まっていることだ。食の内容もさることながら、肉眼では見えないミクロの世界の微生物たちに対する関心が高まってきている。これは新しい現象ではなく、日本では伝統的に、みそ、醤油、日本酒、漬け物など昔から家庭には醸造や家庭料理の中で多くの乳酸菌、酵母、目には見えない微生物などのお世話になっていたものだ。それが生活の便利さを追い求める風潮が出てきたり、所得も上がってきたり、自分のところで糠味噌臭いことを避け、スーパーで手頃に買ってきてしまう生活へと徐々に転換をしてしまってい、その良き伝統が無くなってしまったようだ。加工食品を多く食べるようにもなり、あちらこちらの街角にあるコンビニで食生活を済ませている人も多く見かけるようになってきている。しかし、加工食品などの大きな欠点は、多くのものが、保存料や添加物を有していることから、腸内細菌などを機能させないようにしてしまっていることだ。こうなると栄養素的には肉や多くのものを食べながら、腸内でしっかりと食べたものを分解して栄養素を必要な期間に吸い上げて行くプロセスが機能しなくなってしまっているのだ。人間は、腸内の微生物たちと共生してきた事実を忘れてしまった。
アメリカでも現象は同じで、過食からだけでなく、加工食品を食べていることから、栄養素が吸収され得ない人々が肥満になってきている。しかも多くの面で成人病などが出現しており、医療分野でも処理できないほど大きな社会問題になってきている。内蔵機能が働かなくなってしまい、抵抗力も低下してしまっているので、健康への一つの方向性としてまたこの腸内細菌のことを再評価しようとする動きが強い。ソトコト誌でも案内をしたが、豆乳を成功させて財を成したスティーブディモス氏などは、昨年末にNext Foods社を立ち上げ、その中でGoodBellyブランドの非酪農製品の乳酸菌入りのヨーグルトのような商品を打ち出してかなりの勢いでビジネスが伸びている。乳酸菌を活用して腸内活動を活性化するという目論見だが、アメリカの市場はかなり前向きに反応をしている。
日本に目を向けると、やはりこの乳酸菌などに目を向けているところも多い。しかし、日本の凄さとしては、乳酸菌などを凌駕して、より自然の形での土壌菌などに目を向けている企業もあのを発見してとても嬉しく思った。腸内細菌は乳酸菌だけと考えている人も多いようだが大きな間違いであり、本来、多くの人の腸にはそれこそ無数の微生物が共生していてくれてそのお手伝いがあることで良い消化ができることを認識している企業群が出てきていることだ。
昨日日本列島のへその緒に当たるような位置付けの岐阜県山県市洞田にある村井農場を訪れた。この農場は養鶏場を営んでいられるが、ここでとれる玉子は、おからなどを特殊な方法で培養した細菌(酵母)のコロニーを使いで発酵させて作った特殊な餌をもらって成長している。 餌が安定的であり、鶏の栄養吸収が良いことから、健康な鶏が出来て、もちろん抗生物質や余計な薬品などを必要としなく鶏がスクスクと健康的に育っている。鶏の腸内活動もとても健康的に動いているので、ストレスも少なく、鶏舎を覗いてもわめきたてることもなく、とても穏やかな雰囲気だったことに驚いた。鶏糞なども、この細菌コロニーなどの影響もあってか、残留アンモニアも少なく、臭さが目立たない状況だ。これほど大きな鶏舎を覗いたことはないが、鶏糞が臭いことを聞かされていたこともあり、今回は実に驚いた。
村井農場のオーナーの村井敏彦さんは、特殊生産赤玉なる玉子を近隣だけでなく、東京にも納められていると云う。最近では、楽天などでも発売をされはじめているようで、自然満点の卵を食べたい人にも大きく喜んでもらっているようだ。陽星卵(ようせいらん)ブランドで売られているこのたまごは、美味であることはもちろん、健康で薬漬けにしていない(餌も自然の優れもの)鶏から取れるだけあって、アトピーで悩んでいる人たちも生玉子をエンジョイできるものに仕上がっているようだ。よいものは消化にも良いということだ。
こうやってみると、つくづく考えさせられることがある。現在の食の行政がどうなっているのか?消費者の健康と食の関係をより真剣に考えるときに来たのではないか?土壌についてはこれからも多くのことを調べて書いて行きたいが、なぜ日本の農業が沈滞しているのか?なぜ日本人は「豊かな食生活」をしながらもこれほど病気になってきているのか?、真剣に考え直す時が来たのではないかということだ。自然循環を忘れた農業は、行き詰まって行くだろう。村井農場のような、原点に戻るような農法を再現させ、日本人の健康な生活を取り戻したくなる話だ。昨晩から、富山に来ている。この富山で、立山連峰のすそ野でデカイ視野を持った、パワフルな会社に出会った。それについてはまた続報で書くが、ここでもロハスの革命に火がつきはじめている。
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