Friday, November 17, 2006

ファースト・フードとアメリカ

アメリカにおける異常とも言える肥満と成人病などの問題を受けて、ファーストフード業界は、提供するメニューを一層健康的なものにしようと努力し始めている。昨日の発表によれば、メキシコファーストフードのタコ・ベルがトランスファット脂肪使用を取り止めることを発表したところだ。これまで、大手のウェンディーズやKFCがトランスファット使用を取り止めたことになり、最大手のマックドナルドは取りやめの検討をしているとのことだ。スーパーサイズミーと云う映画で、ファーストフードがいかに健康に悪いかを示そうとしているハリウッドであるが、アメリカ人のファーストフード指向はなかなかなくなりそうにもない。

ニューヨークタイムズ紙のベストセラーになったFast Food Nationと云うフィクションが映画化されてアメリカで上映されるようになっている。この映画はEric Schlosser氏の同名の小説が原作であり、アメリカ人のファーストフード好きがいかに健康および社会に影響を与えているかをドラマ化したものらしい。映画を見るまでもないと思うが、要するストーリーは巨大ファーストフード産業がいかに怖いことをしでかしているのか警鐘しているものらしく、この映画を見るとファーストフードは食べたくなるだろうとの書評も読んだ。

ハリウッドは、社会的な責任にかられているのか、最近ではこのような映画を制作するようになってきている。アメリカにおけるひどい食生活と云うことが大きく問題になっているだけに、こういう映画の貢献は計り知れないものがあろう。そういう前向きな活動はあるが、ハリウッドは、その一方でタバコの促進をしているか疑われるようなところや、食品のプレースメントで広告収入を得ていることもあり、必ずしも一体となって動いているとは言えない。しかし、エンターテインメントで取り上げられるとしても、食事の取り方が注目を浴びる効果は否定できないし、アールゴア元副大統領のAn Incovenient Truthが盛り上げた環境問題への関心は大きいので、この映画に続くものがあっても良かろう。

しかし、アメリカの肥満は一朝一夕で解決するものではないだろう。この問題は長い間に形成されたものであり、食生活はそう簡単に変わるものではない。市場調査で有名なNPD Groupは30年以上もの長年にわたってアメリカ人の食事の習慣を追跡してきた会社だが、
彼らの調査結果は驚くものがあり、アメリカの肥満解決は困難だろうと云うことが判る。同社は1976年から毎日3500人に対して外食をしたのかどうか訊いてきたのだと云う。そうしてその際何を注文したか聞き出している。その結果判ったことは、外食した女性が注文したトップ商品はなんとフライドポテト(フレンチフライ)だと云う。外食注文の2番手がハンバーガーであり、3番手はピザと云う。メインディッシュにサラダをとったのは7番手に出てくると云う。

男性は、多少違うが、それにしても大差はない。トップはハンバーガーであり、2番手がフライドポテト、3番手がピザだ。サラダをメインディッシュにするのは10番手と出ている。

ボールダーにいるとこのようなことは考えられないが、たまたま日本へ戻って講演会で話をしたときに、ある女性にボールダーで一般的に人々が食べているのは何ですかと訊かれて返答に困ってしまった。明日もアメリカの食事について書いてみたいが、ボールダーの食事については、徐々に調べて書いていくようにしよう。確かにロハスの人々が朝ご飯に何を食べているのかは、知りたくもなった。

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