Thursday, August 13, 2009

ボールダーの底力

アメリカ経済は、少しずつ回復へ向かっているようだが、多くの都市においては不動産価格の大幅下落は否めなく、本格的な経済回復と確定できるようになるまでは相当の期間が要するだろうと言われている。これまでハウジングブームに乗り、人口流入などで急激に発展していたカリフォルニアを含む南西部のサンベルト地域やフロリダなどが、景気後退、クレジット引き締めや過剰開発などによる要因によって、大幅な不動産価格の下落を見ている。また、ミシガンやオハイオなど中西部地域では、裾野の巨大な自動車産業の落ち込みで、失業率が高まり、住宅価格が急落している。不動産が売れずに、価格下落している現象は、痛ましい。

ビジネスウィーク誌の最新号によると、このようなアメリカ全体の不動産価格の停滞にも関わらず、伸びている所があるとの分析を紹介している。ビジネスウィーク誌は、Zillow.comとタイアップした企画において、2008年の第2四半期と2009年の第2四半期の不動産価格を比較している訳だが、その中で、不動産価格が上向いた街のナンバーワンの街としてボールダーをあげている。数値的に見る、同期間に不動産価値が上昇したのは、60%もの住宅で見られ、平均的な上昇率は2.12%だったという。

1929年の世界恐慌に次ぐ大型不況と云われているアメリカ経済だが、景気悪化の逆風を受ける度合いが都市によって大きな違いがあることがわかる。ボールダーが、比較的に逆境のインパクを受けなくて済んでいるのは、就業構造が、高等教育、ハイテックの他に伸びているロハス関連事業所が多いこともあげられる。さらに、大事な点は、ボールダーが住宅乱開発を避け、不動産の投機的な供給過多状況を産み出していなかったことが大きいように思う。住みやすいライフスタイルを守る努力も、不動産の価値上昇に大きく反映したのは言うまでもない。

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