Thursday, August 21, 2008

ゴミの埋め立て地に風力発電か、ニューヨーク市

最近ディズニーとピクサー社が作ったアニメの映画「Wall-E」を見てきた。子ども向けだけでなく、大人にも評判が高いアニメであり、おおむね全ての映画評論家から4−5星をもらっている環境問題を主題とした映画だ。地球がゴミに埋もれ、生活環境に適さなくなったので、人類が宇宙へ脱出して、ソーラーエネジーで機能するゴミ処理の機械一台が、700年にもわたって人間が残して行ったゴミの処理を続けていると云う物語だ。主人公はロボットなのだが、そのおかれた社会環境をみると考えさせられることが多い。きれいとは言えないゴミ処理の問題を扱っている割には、実に可愛い映画だ。

当然人間が生活をすると何らかのゴミを排出している。人間が多く集まる都市ともなると、ゴミ処理は一般人はあまり目にしないが、大きな問題であることには違いない。チリも積もれば山となると言えば、少しは前向きな発言なのだが、ゴミの場合は、その処理が大きな問題になるのだ。どこへ捨てるか、どうやって燃やすか、どうやって運ぶかなどが大きな問題となる。もちろん、ゴミには生ゴミもあったりするのでメタンガスが発生するなど、その跡地の利用でもそう簡単ではない。環境汚染につながる産業廃棄物などもあり、ゴミ処理場の取り扱いには頭を悩ますものだと思う。

世界的な大都市は全て同じような悩みを持っている。しかも、近代化している都市であればあるほど、その問題は先鋭化してくると言える。ニューヨークのような大都会も同じような悩みを抱えてきた訳だが、ゴミの埋め立て地として使われてきたところがにわかに脚光を浴び始めている。その場所は、ニューヨーク市南西のスターテンにあるフレッシュ・キルズゴミ処理場跡地だ。このゴミ処理場は、操業をしているときは世界で最大の埋め立て地だったのだ。2200エーカー(890ヘクタール)のこの埋め立て地は、20世紀後半のニューヨーク市の主たるゴミ処理場となっていたのだ。開所されたのは1948年だが、地元住民の嘆願などもあり、2001年の3月に閉鎖された。(9/11の事件の時には、ゴミ処理のために一時的に再開された)。単に埋め立てだけでなく、山盛りもした関係で、ゴミの山は最盛期では、自由の女神より25メーとも高くなってしまったという。それ程チリも積もってしまった訳だ。

スターテン島の行政関係者は、ゴミ処理としての機能を閉鎖するように長いこと嘆願や運動をしてきたのだが、ここへ来て、その跡地に風力発電の基地を作ろうと運動し始めている。もちろん、ニューヨークのブルームベルグ市長もニューヨーク市をよりサステイナブルな都市になるように発言をしていることもあるので、スターテン島の関係者は、、跡地の再利用で、風力発電プロジェクトに熱が入ってきている。

これまで、ニューヨークの環境汚点の代表格だったフレッシュ・キルズゴミ埋め立て地がニューヨーク市にとって初めての大型風力発電所になる可能性を秘めてきている。7機の風力タービン(400フィートの大きさ)を設置すると云う計画になっており、それにより17メガワットの発電ができるだろうと見込まれている。この発電量は5000家庭の電力をまかなうのに十分なものだそうだ。この案は、十分な下調査のもとで作成をされているものらしく、スターテン島の電力需要の3%をまかなうものらしい。

スターテン島の話とは別個だが、カリフォルニア州の会社で屋根に風力タービンをつけているMarquiss Wind Power社が、風力発電の実力を見せるために、ニューヨーク市のビルの屋上に無料でデモ用に風力タービン設置の申し出を行なっている。高層ビルが建ち並ぶニューヨークの景観がどのように変わるか見物だが、実際問題、今後のビル設計などには当初から風力や雨水の取水、ソーラーなどの設計が当初から組み込まれることは当然になりそうだ。

ボールダーの風力についても、フォローして行くようにしたい。

No comments: